みなさん、こんにちわ!
株式会社福島屋代表の上田です。
皆さま「土地の境界は決まっているはず」と思われがちですが、実はそうでもありません。昭和の時代には、境界をきちんと確認せずに土地が売買されていたケースが多くあります。
そこで本日は、「筆界」と「所有権界」という、2つの境界の違いについて話してまいります。
目次
筆界とは?
筆界の定義と特徴
筆界とは、土地の登記簿に記載された境界を指します。これは、土地の法的な所有権を証明するために重要な役割を果たします。土地を売買したり、相続する際には、この筆界を正確に確認することが必要です。
筆界は、不動産登記の情報に基づくため、登記簿に記載された境界が法的に正しいと認められています。つまり、土地の所有者が誰であるか、どこまでの範囲を所有しているかを明確に示すものです。特に、土地を譲渡する際や、相続によって新しい所有者が決まるときには、この筆界が確認される必要があります。
所有権界とは?
所有権界の定義と特徴
所有権界は、実際にその土地を所有している境界を示します。筆界とは異なり、実際に所有している範囲に基づいて決まるため、物理的な境界や慣習に影響されることがあります。
所有権界は、物理的に所有者が使っている土地の範囲を示します。例えば、長年使用してきた土地の一部が他人の土地として登記されている場合、所有権界の確認が必要になります。これは、所有者が実際に使用している範囲が登記情報と一致しない場合に問題となります。
所有権界と筆界の違い
一致しない場合もある?
筆界と所有権界には明確な違いがあります。筆界は登記簿に基づく法的な境界線であり、所有権界は実際に使用されている土地の範囲です。このため、筆界と所有権界が一致しない場合もあります。

筆界と所有権界の違いを理解することで、土地に関する問題を事前に防ぎ、正確な境界線を把握することができます。
土地の境界問題を解決する方法
境界確定手続きの流れ
土地の境界をきちんと確定するためには「土地家屋調査士」の力が必要です。
まず行うのは、土地の測量です。これは、土地の正確な広さや形を測って、「どこまでが自分の土地なのか」「どこからが隣の土地なのか」を明確にするための作業です。
境界線がはっきりしたら、隣の土地の持ち主としっかり話し合い、合意を得ます。そのうえで、境界を示す「杭(くい)」や「標識」を設置して、目に見える形で境界を明示します。
しかし、話し合いがまとまらないケースもあります。そんなときには、次のような方法を使うことがあります。
- 「境界確定訴訟」
裁判を通じて、法的に境界を確定させる方法です。 - 「特定筆界制度」
法務局が中立の立場で筆界(登記上の境界)を調査してくれる制度です。
まとめ|筆界と所有権界を理解して土地のトラブルを回避しよう
筆界と所有権界を理解することは、土地の所有者にとって非常に重要です。土地の境界線が正確に把握できていれば、売買や相続、さらには土地活用におけるトラブルを避けることができます。