未登記のままでも売れる?登記されていない建物をスムーズに売却する方法

高知地方法務局
250707161325029

「相続した家を売ろうとしたら、建物が登記されていないことが発覚」
そんな時、「未登記のままでも売れるの?」と疑問に思う方は多いはずです。

不動産の売買において建物の登記は法律上「絶対に必要」というわけではありません。ただし、登記がされていない物件は、買主が住宅ローンを使えなかったり、大規模なリフォームができなかったりするため、買い手が限られてしまいます。

そのため、売却までに時間がかかったり、価格交渉で不利になってしまうこともあります。

そこで本日は、登記されていない建物の売却について話してまいります。

なぜ登記されていない建物があるのか?

建物を所有しているなら、登記されているのが当たり前と思われがちですが、実はそうとも限りません。
次のような事情で、建物の登記がされていないケースがあります。

住宅ローンを使わず、現金で家を建てたり購入した場合

通常、住宅ローンを組んで建物を建てたり購入する場合、金融機関が抵当権(担保)を設定するために登記が必須です。
しかし、現金一括で建てたり買ったりした場合には、金融機関が関与しないため登記をしないケースが見られます。

      昔は建物登記が厳格に義務化されていなかった

      • とくに昭和の時代やそれ以前に建てられた建物では、登記をしていないケースが多くあります。
      • 昔は登記への関心や必要性が低く、自治体や工務店側も積極的に案内していませんでした。

      増築・改築した部分だけ未登記

      建物の一部をリフォームや増築したけれど、その部分だけ未登記ということもあります。

      登記されていない建物でも売却は可能?

      未登記でも売却はできるが、実際は少ない

      登記とは、法務局にその建物の情報(場所・構造・所有者など)を登録することです。
      しかし、建物を登記していないからといって「売れない」というわけではありません。

      ただし、次のような問題が生じることがあります。

      • 買主が住宅ローンを組めない
      • 建築確認申請が必要な工事が認められない
      • 所有者の証明ができない

      そのため、実際には登記を済ませてから売却することの方が多くなります。

      売却のために必要な登記とは?

      未登記建物を売却する際、次の登記申請手続きが必要です。

      表題登記(建物の存在を登記する)

      • 建物を土地家屋調査士が調査・測量し、「表題登記」を行います。
      • 所在地・構造・床面積などを登録します。

      所有権保存登記(名義を登録する)

      • 建物の所有者を法務局に登録します。
      • 相続が絡む場合は、相続登記も併せて必要になります。

      登記にかかる費用・日数はどれくらい?

      申請手続き依頼先費用の目安期間の目安
      表題登記土地家屋調査士約5万~15万円1〜2週間
      所有権保存登記司法書士約3万~10万円1〜2週間

      ※相続人が複数いる場合や、連絡が取りにくい相続人が含まれている場合は、手続きが長期化し、追加費用が発生します。

      まとめ|ほとんどは登記してからの売却になる

      登記されていない建物でも売却することはできますが、買主がローンを使えなかったり、建物の工事が制限されたりと、売却のハードルが高くなります。

      こうした事情から、登記を済ませたうえで売却するのが一般的です。

      他社では対応が難しいご相談にも、福島屋は丁寧にお応えします。不動産のお悩みは、まずはお気軽にご相談ください。