皆さま、こんにちは!
高知県で相続不動産や空き家、売却・処分が難しい負動産を専門に扱う、福島屋代表の上田です。
相続をきっかけに、「使われていない土地」や「親の住んでいた家をどうするか」と悩む方が、高知県内でも年々増えています。
人口減少や高齢化、都市部への人口集中が進む中で、利用予定のない土地や家が放置されてしまう傾向も見られます。
しかし、不動産を長期間放置してしまうと、固定資産税や管理費などの負担が続くだけでなく、将来的に売却や処分がさらに難しくなる恐れもあります。
そこで本日は、高知県の地域特性を踏まえながら、負動産化のリスクについて話してまります。
目次
負動産とは?|所有しているだけで負担になる不動産
「負動産」とは、所有しているだけで費用や管理の責任が発生し、経済的にも心理的にも負担となる不動産のことを指します。
固定資産税の支払い、草刈りや建物の維持管理、老朽化による倒壊リスク、そして売却の難しさなど、さまざまな負担が重なり、「持っているだけで損をする」状態に陥ってしまうケースもあります。
こうしたリスクを相続の前に正しく把握しておくことで、後から慌てることなく、早めに適切な判断と対策を取ることができます。

高知県に多い「負動産化リスク」6選
① 過疎地にある土地
高知県は全国でも過疎地域の割合が高く、県内の多くの市町村が過疎地域連盟に加盟しています。
こうした地域では人口減少が進み、不動産を売りたくても「なかなか買い手が見つからない」状況が増えています。
その結果、相続によって名義だけが移り、実際には使われないまま放置されてしまうケースも少なくありません。
地域によっては売買の事例がほとんどなく、市場で取引されることもほとんどありません。

② 手入れのされていない山林(木材資産がない)
一見「山を持っている」と価値がありそうに思えますが、間伐や管理が行き届いていない山林は、木材としての価値がほとんどありません。
さらに、木材価格の低迷や林業の担い手不足もあり、「売れない」「伐れない」「使えない」といった三重苦に陥るケースが少なくありません。

③ 長年耕されていない農地
数年以上にわたって耕作が行われていない農地は、雑草や竹が繁茂し、隣地トラブルや害獣被害の原因にもなります。
農地法の関係で転用や売却にはハードルがあり、放置しているうちにますます扱いが難しくなるのが現実です。

④ 所有者不明の建物が建つ底地権(借地権付き土地の所有権)
借地契約が古く、建物の所有者が亡くなったまま名義変更されていないケースが増えています。
地主(底地権者)は土地を所有していても、建物が存在するため自由に利用・売却ができません。
建物登記簿上の所有者が不明、あるいは相続人が複数に分散している場合、解体や借地契約の整理が進まず、長期にわたって動かせない土地となることもあります。
さらに、地主が自費で建物を解体したとしても、土地自体の評価が低く、結果的に費用倒れ(マイナス)になってしまうケースも少なくありません。

⑤ 未接道地(建築基準法上の道路に接していない土地)
建築基準法第42条で定められた幅4メートル以上の道路に、2メートル以上接していない土地は、原則として新築や再建築ができません。
いわゆる「再建築不可物件」と呼ばれ、利用方法が限られることから、市場価値が大きく下がり、売却が難しくなります。

⑥ 土砂災害特別警戒区域内の土地・建物(レッドゾーン)
高知県は地形上、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)が非常に多い地域です。
こうした区域では、建築や再建築を行う際に厳しい審査や安全基準の適合が求められ、基準を満たせない場合は、実質的に建築が認められないこともあります。
また、仮に建築が認められたとしても、土砂災害に耐えられるようにするための構造補強や擁壁工事などに多額の費用がかかり、住宅ローンの審査も通りにくいのが現実です。

まとめ|相続前の「現状把握」が負動産化を防ぐカギ
これら6つのリスクは、いずれも相続してから気づくことが多いのが特徴です。
相続登記が義務化された今、「とりあえず名義を変えて終わり」では済まなくなっています。
相続前の段階で、
- 名寄帳による所有不動産の全体確認
- 不動産の所在地・権利関係・接道状況・地目・区域指定・ハザードマップ等を確認
- 売却・無償譲渡・国庫帰属制度・相続放棄などの選択肢検討
といった“現状把握”と“出口戦略”を立てておくことが、負動産化を防ぐ大切なポイントです。




























