皆さま、こんにちは!
高知で相続不動産や空き家、売却・処分が難しい不動産を専門に扱う、株式会社福島屋代表の上田です。
「家を売りに出したのに、なかなか買い手が見つからない…」
「不動産会社に任せておけば安心」と思っていたのに、実際には売れずに時間ばかりが過ぎてしまう。これはよくある話です。
実は、不動産を売却する際に結ぶ「仲介契約」の種類によって、販売活動の質もスピードも大きく変わってきます。
とくに気をつけたいのが「囲い込み」といわれる行為です。これは、不動産会社が自分たちの利益を優先して、あえて家が売れにくくなるような対応をしてしまうことをいいます。
ある方は、専属専任媒介契約を結んで売却活動をしていましたが、実は他社への情報開示をストップされていたことで買主が現れず、1年以上売れ残っていました。契約を見直したところ、2ヶ月で成約しました。
そこで本日は、これから不動産売却を検討する方に向けて、「囲い込み」のリスクや、正しい仲介契約の選び方について話してまります。
目次
仲介契約の種類とは?3つの基本形を知ろう
不動産売却を進める上で、まず押さえておくべき基本が「媒介契約(仲介契約)の種類」です。
以下の表に、3つの契約の特徴をまとめました。
項目 | 専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 |
---|---|---|---|
依頼できる不動産会社の数 | 1社のみ | 1社のみ | 複数社OK |
自分で買主を見つけられるか | ✕(不可) | 〇(可能) | 〇(可能) |
他社への情報公開 | ✕ または制限あり | ✕ または制限あり | 〇(自由) |
レインズ登録義務 | 〇(5日以内) | 〇(7日以内) | 任意(登録不要) |
報告義務 | 週1回 | 2週間に1回 | なし |
囲い込みのリスク | 高い | 中程度 | ほぼなし |
売却活動の積極性(業者目線) | 高い | 中程度 | 低い場合もあり |
おすすめのケース | 信頼できる業者がいるとき | ある程度任せたいとき | 広く売却したいとき |
✅ ポイント:「囲い込み」を避けたいなら、情報がオープンになる一般媒介契約が安心です。
一方で、1社にしっかり販売をお願いしたい場合は専任系契約も検討の余地があります。
「囲い込み」ってなに?
囲い込みとは?
囲い込みとは、不動産会社が「買主も自社で見つけたい」と考え、他社に物件情報を渡さずに取引を独占しようとする行為です。
例えば、専属専任媒介契約や専任媒介契約のように、レインズ(不動産流通機構)への登録義務があるにもかかわらず、不動産会社が掲載を意図的に遅らせたり、「商談中」として他社からの内見を断ったりすることがあります。
なぜ囲い込みが起きるのか?
- 自社で売れば売主・買主の両方から仲介手数料を得られる(両手仲介)
- 他社に紹介させると手数料が半分(片手仲介)になるため、「儲け」のために情報を絞ってしまう
囲い込みのデメリット
- 売却の機会が減る
- 内見数が減って成約しづらくなる
- 結果として値下げや売却期間の長期化につながる
- 売主にとって不利益なのに気づかれにくい
チェックすべきポイント
- 専属専任媒介契約や専任媒介契約を結んだ場合は、レインズに登録してもらえているかの確認(登録証明書の発行依頼)
- 不動産会社に「囲い込み対策していますか?」とストレートに聞いてみる
- 複数の不動産会社が取り扱う一般媒介契約なら、囲い込みの可能性は低くなる
正しい仲介契約の選び方とは?
契約を選ぶ前に考えるべき3つのこと
- 売却スピードを重視するか?
一般媒介で広くアピール - 信頼できる1社に任せたいか?
専任媒介で対応をチェック - とにかく高く売りたいか?
情報の拡散には広告費が重要
囲い込みを防ぐコツ
- 一般媒介で複数社に依頼する
- 専任でも定期的に詳しい状況を確認する
- 契約前に「囲い込みしません」と明記してもらう
契約書のチェックポイント
- 販売活動の報告頻度
- 契約期間(通常3ヶ月)
- 中途解約の条件
まとめ|あなたに合った契約を選ぼう
囲い込みは、知らずに契約してしまうと売主にとって大きな不利益になります。
まずは仲介契約の種類をしっかり理解し、自分の理想とするものに合致する契約を選ぶことが大切です。