負動産を放置しても行政は助けてくれない!市町村と国の限界と、所有者が今できる解決策

高知県庁負動産責任

皆さま、こんにちは!

高知県で相続不動産や空き家、売却・処分が難しい負動産を専門に扱う、福島屋代表の上田です。

近年、空き家や山林、農地などの「負動産」でお困りの方から、次のようなご相談をよくいただきます。

  • 役所に相談すれば引き取ってくれるのでは?
  • 国庫帰属制度で国が引き取ってくれるのでは?
  • しばらく待てば行政が空き家問題を解決してくれるのでは?

結論から申し上げます。

負動産を放置しても行政は助けてくれません。
行政が動けない“構造的な理由”があるからです。

そこで本日は、自治体や国が負動産問題に踏み込めない理由を解説し、そのうえで所有者が今できる「現実的で安全な解決策」について話してまります。

行政が空き家・負動産に動けない“構造”的な理由

市町村は負動産を処分できない ─ 固定資産税は貴重な財源

自治体にとって、固定資産税は自由度の高い財源です。

簡単に言えば、固定資産税が減ると自治体の運営が苦しくなるという現実があります。

そのため、

  • 不動産を自治体自ら引き取る
  • 所有者に代わって行政が解体まで実施する
  • 公費で負動産処分を肩代わりする

といった取り組みは、財源の性質上、ほぼ不可能です。

行政からはアドバイスや制度紹介は受けられても、本質的な「解決の肩代わり」までは期待できないのが現状です。

負動産責任市町村

国も負動産を引き取らない ─ 負担と責任が重すぎる

「国が最後は引き取ってくれる」というイメージを持っている方も多いですが、実際は違います。

国が不動産を引き取れば、

  • 維持・管理コスト
  • クレームや事故対応
  • 草木や災害リスク対策
  • 雑草・害獣・近隣トラブル
  • 売れ残り・活用不能の土地

など大きな負担を抱えることになります。

そのため国は、原則として所有者不明土地を管理するだけで、「所有権を引き取る」立場にはなりません。

希望される方が増えている「相続土地国庫帰属制度」ですが、実際には条件がとても細かく、審査に通るケースはごく一部に限られています。

さらに今後は、申請件数の増加などを背景に、審査の基準や対象の判断がこれまで以上に厳しくなっていく可能性が高いと言われています。

とくに山林の申請が最も通りにくい傾向にあり、面積の広さや境界の不明確さ、管理状況の確認などが難しいことから、審査のハードルが高くなりやすいのが現状です。

負動産責任山林

行政に期待して放置すると、所有者のリスクは増えていく

行政が助けてくれないからといって放置を続けると、負担は時間とともに大きくなります。

放置で増える主なリスク

  • 固定資産税・家屋敷課税が毎年発生
  • 老朽化で倒壊・雨漏り・害獣・シロアリ被害
  • 草木の繁茂や境界越境で近隣クレーム
  • 放火・不法投棄・不法侵入
  • 管理不全空き家に指定されると固定資産税6倍も
負動産責任空き家

所有者が今できる現実的な解決策

負動産は、“積極的に手放す”方向へ舵を切ることで費用・ストレス・トラブルを大幅に軽減できます。

代表的な選択肢は以下のとおりです。

① 売却

活用可能な場合は売却が最優先。古家付き土地でも需要があるケースはあります。

② 無償譲渡(現況のままバトンタッチ)

売却が難しい場合でも、利用希望者が見つかることがあります。

③ 相続土地国庫帰属制度

条件が厳しい制度ですが、対象となるケースもあります。費用・基準・提出資料などを整理した上で検討が必要です。

④ 相続放棄

相続前後のタイミング・遺産構成・手続きが重要。誤った対応で後から費用や責任が発生することもあります。

負動産責任原野

「どの方法が最適か」は状況によって大きく変わります

不動産の種類状態条件最適解
空き家老朽化市街地売却 or 無償譲渡
空き家老朽化過疎地・限界集落無償譲渡・解体+国庫帰属・相続放棄
山林利用不可放置林無償譲渡 or 相続放棄
農地転用不可耕作放棄売却 or 無償譲渡

負動産は不動産の種類や立地・状態によって最適な方法が大きく変わります。

自己判断で動くよりも、まずは状況を整理してから進めることで、費用や手間を無駄なく抑えられます。

負動産責任子供に迷惑

まとめ|制度には限界があるため、負動産の整理は所有者の判断が重要

  • 行政は負動産を肩代わりできない構造になっている
  • 放置すれば税金やトラブルのリスクが増える
  • 所有者が早期に動くほどコストと負担は小さく済む
  • 解決策は「売却・無償譲渡・国庫帰属・相続放棄」など複数ある
  • 状況に応じた最適ルートの判断が重要

負動産の問題は、所有者が主体的に方向性を決めることで解決へと進みます。

制度・費用・法務・活用方法などを整理しながら、状況に合った最適な選択をしていくことが重要です。

高知県負動産無料相談
ABOUT US
上田 司代表取締役/宅地建物取引士
相続した負動産で苦労した自身の経験を原点に、同じような悩みを抱える方の支えになりたいとの想いから、負動産専門のサポート事業を開始。相続不動産を中心に、各分野の専門家と連携し、売却の難しい家や土地の再生・譲渡・国庫帰属など多角的な解決策を提案。ご相談者様一人ひとりの事情に寄り添い、不動産の整理・処分を全力でサポートしています。