皆さま、こんにちは!
高知県で相続不動産や空き家、売却・処分が難しい不動産を専門に扱う、株式会社福島屋代表の上田です。
「田舎の古い家なんて、誰も買わないでしょう…」
そんなあきらめの声を、これまでたくさんの方から聞いてきました。
実は、私自身も田舎の古い実家を相続しました。だからこそ、その不安や戸惑いはよく分かります。
でも、ちょっとした工夫と視点の転換だけで、「売ること」や「手放すこと」は十分に可能です。
そこで本日は、「売れない」「売るのは難しい」と思われがちな田舎の古い家を、実際に売却へと導くための“3つの工夫”について話してまいります。
工夫①「売る」ではなく「使ってもらう」を考える
田舎の古い家は、「買ってもらう」のではなく「使ってもらう」方法に目を向けることで、道が開けます。
田舎の古い家の多くは、生活インフラや立地の面で不利な条件を抱えています。そのため、一般的な住まいとして購入してもらうにはハードルが高いのが現実です。
そこで大事なのが、「この物件を使いたい人」に情報を届けるという視点です。
- 地方移住希望者(DIYで直すことを前提に探している人)
- 倉庫・アトリエ・作業場として使いたい人
- 趣味用の拠点を探している都市部の人
- 自然体験施設や福利厚生施設として使いたい企業
など、「すぐに住める」以外の用途に価値を見出す人たちも存在します。
不動産ポータルサイトだけに頼るのではなく、「田舎暮らし」や「移住支援」、「農業・漁業・林業・畜産業」など、地方創生のメディアから情報発信を行うことで、思いがけないニーズとつながる可能性があります。
とくに、移住者の受け入れに積極的な自治体では、空き家バンクの活用や補助金制度などを含め、親身に相談に応じてくれる部署が多くあります。まずは、物件のある地域の窓口に問い合わせてみるのが有効です。
工夫② 写真と情報の見せ方を変える
田舎の古い物件は、「情報発信の魅せ方」だけで見られ方が180度変わります。
物件の良さを知っているのは、そこに住んだことのある方だけです。
にもかかわらず、多くの物件は「暗い」「汚い」「修繕箇所ばかりが目立つ」写真ばかりで、買い手の心を動かせていません。
一方で、写真や説明の仕方を少し変えるだけで、
- 景色が良い
- 自然に囲まれている
- 騒音がない
- 敷地が広い
- 野菜が良く育つ
- 建物に年月を重ねた味わい深さがある
など、「都市部では得られない魅力」がしっかり伝わるようになります。
また、汚い・修繕が必要などの劣化部分は「課題」として正直に示しつつ、「ヴィンテージ感」や、やりがいのある「リノベ素材としての魅力」として逆に目立たすことで、古いものを楽しむ人やDIY志向の買主の関心を引きやすくなります。
問い合わせにつなげるためには、写真の撮り方にも工夫が必要です。
- 明るい時間に撮影する(できれば晴れの日)
- 敷地の広さ、周囲の自然、近隣環境を強調
- 修繕が必要な箇所も、DIY好きの心をくすぐるポイントとして、前向きにアピール
- ドローンや360度カメラを使い、引きの画角で広く撮影する
こうしたポイントを押さえるだけで、物件の印象は大きく変わり、問い合わせや内覧の可能性が高まります。
工夫③ 相談先を“築古物件に強い専門会社”に変える
「新築や築浅中心の不動産会社」ではなく、築古物件を多く取り扱っている建物に強い不動産会社に相談するだけで、田舎の家の売却成功率は大きく変わります。
築古物件は契約後のトラブルリスクや建物状況の把握が難しいことから、更地渡しでの売却をすすめ、建物自体の取り扱いを避ける不動産会社が多くなります。
その点、築古物件など田舎の建物付き不動産を多く扱う会社は、劣化や古さをマイナスとせず、“リノベ素材”や“低コスト移住拠点”として魅力を引き出すノウハウを持っています。
- ローカルな買い手(賃貸経営の投資家など)とのネットワークがある
- 古家活用・補助金・移住支援制度に詳しい
- 古い建物の状態を把握した上で、適切な売却方法を提案できる
といった強みを活かし、「売れない」と思われがちな物件も、しっかりと買い手につなげる力があります。
田舎では「土地だけ」を欲しがる人は多くありません。そのため、たとえ古くても建物が残っているほうが、買い手の関心を集めやすくなります。
まとめ|「売れない常識」を超える工夫を取り入れよう
田舎の古い家が「売れない」のは、実は工夫が足りないだけというケースが少なくありません。
- 「買ってもらう」から「使ってもらう」視点に切り替える
- 情報発信と見せ方を工夫する
- 築古物件や建物に強い不動産会社に相談する
この3つの工夫を取り入れるだけで、「売れない」は「売れる」に変わる可能性があります。
繰り返しになりますが、田舎の物件は更地にすると買い手を見つけにくくなります。
古い家が残っていた方が購入希望者が現れやすいため、解体を決める前に、築古物件の取扱いに慣れている不動産会社へ相談することをおすすめします。
売れないと諦める前に、ぜひ一度視点を変えて、古い家に合ったアプローチを試してみてください。