皆さま、こんにちは!
高知県で相続不動産や空き家、売却・処分が難しい不動産を専門に扱う、株式会社福島屋代表の上田です。
親から相続した家や土地が、「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」に入っていた…。
売却しようと思ったら、買い手がつかない、維持費だけがかかる…。
高知県は全国でも土砂災害警戒区域の指定が多い地域であり、そういった相続不動産の処分に悩む方が急増しています。
そこで本日は、相続した家や土地が土砂災害特別警戒区域にある場合の具体的なリスクと、売却・処分の選択肢について話してまいります。
目次
土地が「土砂災害特別警戒区域」にあると何が問題になるのか?
売却が難しくなる
- 土砂災害リスクが高いエリアのため、買主が見つかりにくい。
- 不動産業者も取り扱いを避ける傾向がある。
住宅ローンが利用できない可能性
- 区域内の物件は、金融機関の融資審査が非常に厳しい。
- 結果として「現金で買える人」しか購入できない → 市場が狭まる。
維持費や管理責任が続く
- 固定資産税は毎年かかる。
- 放置して倒壊や土砂被害があれば、近隣住民に責任追及される恐れも。
相続人が選べる3つの解決策
① 売却
- 地域特化の不動産会社に相談することで、買い手が見つかるケースもある。
- 一般市場より価格は下がるが、維持費やリスクから解放されるメリットが大きい。
② 1円譲渡(実質無償)
- 購入希望者がいない場合1円で譲渡する方法がある。
- 相続人自身の維持費・管理責任を解消できる。
③ 相続土地国庫帰属制度の活用
- 2023年から始まった制度で、更地にするなど条件を満たせば国に土地を返せる。
- 崖地や土砂災害リスクが高い土地は審査が厳しいため、専門家による事前確認が必須。
高知県の「土砂災害特別警戒区域」を確認する方法
- 高知県では「土砂災害危険度情報マップ」が公開されています。
高知県の土砂災害危険度情報 - 住所検索や地図表示で、対象不動産がレッドゾーンに含まれているか確認可能。
- ただし、不動産取引に際しては市町村や県の土木事務所で正式確認することが重要。
高知市は住宅の除却費や移転費を補助
高知市では、土砂災害特別警戒区域に指定された住宅について、より安全な場所への移転を促進するための補助制度が設けられています。
これは「がけ地近接等危険住宅移転事業」と呼ばれ、災害リスクの高い場所から移転する際に、住宅の除却費や新たな宅地購入費、建設費の一部を市が補助する仕組みです。
相続した家が土砂災害特別警戒区域にある場合、「売却が難しい」「維持費が重荷」と感じている方にとって、この制度を活用することで安全かつ経済的に移転や処分を実現できる可能性があります。
制度には要件や補助上限があるため、実際に対象となるかどうかは市の窓口での確認が必要です。
高知市がけ地近接等危険住宅移転等事業
まとめ|相続不動産の「負動産化」を避けるために
相続した家や土地が「土砂災害特別警戒区域」にある場合、
- 売却しにくい
- 維持費だけかかる
- 管理責任が重い
というリスクがついて回ります。
しかし、諦めずに売却、1円譲渡、相続土地国庫帰属制度といった選択肢の可能性を探ることで、相続人が負担を抱え込まずに解決する道があります。