皆さま、こんにちは!
高知県で相続不動産や空き家、売却・処分が難しい不動産を専門に扱う、株式会社福島屋代表の上田です。
少子高齢化や人口減少の影響で、全国的に空き家が増加しています。
しかし、空き家を放置しておくと「草木の越境」「建物の倒壊」「害虫や動物の発生」といった近隣トラブルを引き起こし、最悪の場合は裁判沙汰になることも少なくありません。
そこで本日は、実際に起きた空き家に関する裁判事例を紹介しながら、リスクと対策をわかりやすく話してまいります。
事例① 倒壊した空き家で通行人がケガ
ある自治体で、老朽化した木造住宅が強風で倒壊し、たまたま前を通りかかった通行人が大ケガを負いました。
裁判では「長年空き家を放置し、必要な修繕を怠った所有者に管理責任がある」と判断され、所有者に損害賠償責任が認められました。
ポイント:
- 建物の老朽化は自然現象ではなく、管理不足と見なされることがある
- 「人にケガをさせた」場合、数百万円以上の賠償命令が出る可能性も
事例② 雑草や害虫で近隣住民から訴えられたケース
別の事例では、空き家の庭が荒れ放題となり、雑草の繁茂や害虫の大量発生により近隣住民の生活に支障が出ました。
近隣住民は精神的苦痛を受けたとして裁判を起こし、慰謝料の一部が認められた例があります。
ポイント:
- 空き家の庭木や雑草も「所有者の管理責任」
- 苦情対応を怠ると裁判に発展するリスク
事例③ 相続人間の管理責任を巡る争い
空き家の所有者が亡くなり、相続人が複数いるものの、相続登記もせず放置されていたケースです。
老朽化した建物が一部崩落し、近隣から損害賠償請求を受けた際に、誰が責任を負うのかで相続人同士が争う裁判となりました。
裁判所は「法定相続分に応じて責任を負う」と判断しましたが、実際には相続人間で費用負担を巡るトラブルが長期化しました。
ポイント:
- 相続登記を放置すると、管理責任の所在があいまいになる
- 「相続人全員」で管理責任を問われる可能性がある
裁判リスクを避けるための対策
空き家問題は「知らなかった」「忙しかった」では済まされません。
裁判リスクを避けるためには、以下のような早めの対策が有効です。
- 定期的な管理・清掃
草木の伐採や建物の安全点検を行う - 相続登記の早期実施
所有者を明確にして、責任の所在をはっきりさせる - 売却や無償譲渡・解体を検討
不動産会社への売却依頼のほか、無償譲渡や解体を検討
まとめ|早めの対応が重要
空き家を放置すると、近隣住民とのトラブルや裁判リスクに直結します。
とくに相続で取得した不動産は、管理責任が「相続人全員」に及ぶため、想像以上に大きな負担となりがちです。
「使わない空き家」を抱えている方は、早めに登記・管理・処分を検討することが、家族や近隣を守る最善の方法です。