皆さま、こんにちは!
高知県で相続不動産や空き家、売却・処分が難しい負動産を専門に扱う、福島屋代表の上田です。
相続で受け継いだ家や土地を「とりあえずそのままにしておこう」と放置しているうちに、気づけば毎年のように維持費や管理コストがかさんでしまっているという方が少なくありません。
そこで本日は、高知県内でも実際に起きている「相続不動産の放置」に関する現実について話してまいります。
目次
相続した家や土地を「放置」するリスクとは?
相続不動産を放置してしまう一番の理由は、「使い道がない」「売る準備が整っていない」「税金が安いから急がなくていい」という心理です。
しかし現実には、放置するほど負担が増す構造になっています。

主なリスク
- 固定資産税や家屋敷課税などの維持コスト
- 雑草の繁茂や倒木、害虫の発生など、環境を維持するための管理費
- ご近所からの苦情対応
- 建物の老朽化による解体費用
- 相続人間での責任・費用分担
いわば、「使わないのに出費が続く資産」になってしまいます。
高知で実際に起きた「管理コスト」の現実

① 高知市郊外の空き家:年間約20万円の出費
相続した実家をそのまま放置していたところ、毎年以下のような費用がかかっていました。
| 費用項目 | 年間金額(概算) |
|---|---|
| 固定資産税・家屋敷課税 | 約7万円 |
| 草刈り・樹木伐採 | 約3万円 |
| 雨樋修理・屋根補修 | 約6万円 |
| 害虫駆除 | 約4万円 |
| 合計 | 約20万円/年 |
害虫駆除では、軒下にハチの巣ができたことで近隣から苦情が寄せられ、急きょ業者に依頼することになりました。
「相続してから5年で約60万円の出費になった」とのことです。

② 香美市の山林:維持費ゼロと思いきや…
「何もしていないからお金はかからない」と思っていた、相続登記未了の山林です。
しかし実際には、
- 立木の倒木で隣家のフェンス破損 → 修理費10万円
- 相続人間で「誰が管理を担当するのか」をめぐってトラブル
しかも買い手がつきにくく、次の世代への「負の遺産」となってしまうケースです。

③ 安芸市の古家付き土地:解体を先延ばしした結果…
「解体費がもったいない」と放置していたところ、老朽化が進行し、最終的には行政から倒壊の危険性を指摘されました。
7年前には解体費用が120万円と見積もられていましたが、現在では解体費の高騰により、撤去や廃材処理を含めて200万円まで増加しました。

放置しないための「3つの回避策」
① まずは現状を把握する(固定資産税評価額・地目・権利関係)
- 納税通知書や市町村役場の課税明細書で金額を確認
- 法務局で登記事項証明書を取得し、名義・地目・面積を確認
- 空き家であれば家屋調査や雨漏り確認も行う
この「現状把握」が、放置コストを最小限に抑える第一歩です。
② 活用・売却・譲渡の方向を検討する
- 仲介による売却や業者買取、隣地への売却、無償譲渡など、複数の選択肢があります。
- 特に「使わない」「管理できない」と分かっている場合は、早期の処分が最も効果的です。
- 状況により、「空き家3000万円控除」や「低未利用地特例」などの税制優遇を受けられることもあります。
③ 行政・専門家に早めに相談する
高知県では、空き家対策課や各市町村の相談窓口のほか、地元の不動産協会などによる「不動産無料相談会」も実施されています。

まとめ|放置しないことが“負動産化”を防ぐカギ
相続不動産を放置しても、誰かが管理や税金の負担を続けなければなりません。
数万円単位の出費が積み重なれば、10年で100万円を超えることもあります。
「そのうち考えよう」と先延ばしにする前に、まずは“現状のコストを見える化”することから始めましょう。


































