皆さま、こんにちは!
高知県で相続不動産や空き家、売却・処分が難しい負動産を専門に扱う、福島屋代表の上田です。
相続が発生した直後、不動産について何から手をつけるべきか分からず、不安を感じる方は少なくありません。
「まだ気持ちの整理もついていない」「今は何もしなくていいのではないか」そう感じるのは、ごく自然なことです。
一方で、相続不動産には時間的な制約を伴う判断が関わる場面があります。
特に、相続放棄を検討する可能性がある場合、不動産の状況整理を後回しにすると、本来取れたはずの選択肢が狭まってしまうことがあります。
そこで本日は、相続が発生した直後だからこそ、先に行っておくべき不動産の整理について話してまいります。
目次
相続直後に意識すべき「3か月」という期限

相続放棄は、原則として「相続を知った時から3か月以内」に判断する必要があります。
借金の有無が明確な場合を除き、この3か月間で最も重要になるのが、不動産が「引き継ぐ価値のあるものか」「将来の負担になるものか」を見極めることです。
つまり相続直後は、
- 売るか、使うかを決める時期ではなく
- 相続するか、しないかを判断するための情報を集める時期
だと言えます。
そのため、相続放棄を少しでも視野に入れるのであれば、不動産の状況整理だけは急ぐ必要があります。
相続直後は「判断」ではなく「整理」を優先する

相続不動産は、取得した瞬間に資産か負担かが決まるものではありません。
多くの場合、
- 状況が分からない
- 制度上の制約が見えていない
- 相続人間の方向性も定まっていない
という状態で時間だけが過ぎていきます。
この状態が最も問題なのは、判断できないまま、相続放棄の期限だけが過ぎてしまうことです。
そのため相続直後に必要なのは、結論ではなく整理です。
相続したらまず行うべきこと
① 不動産状況整理|相続した不動産の全体像を把握する
最優先で行うべきは、不動産の状況整理です。
- どの不動産が相続対象なのか
- 所在地・地番・地目
- 登記名義の状態
- 現在の利用状況
農地や山林が含まれる場合、
- 登記上の内容や課税地目と現況が一致していない
- 図面や資料だけでは、正確な場所を特定できない
- 過去の経緯が分からず、現在誰に貸しているのか把握できていない
といったケースも珍しくありません。
相続放棄を検討するためにも、「何を引き継ぐことになるのか」「どのような負担が想定されるのか」を早期に把握する必要があります。
② 遺産分割協議|相続する前提での方向性整理

相続放棄の可能性がある場合でも、「全員が放棄するのか」「一部の相続人が放棄するのか」によって、不動産の扱いは大きく変わります。
- 誰が相続人になる可能性があるのか
- 不動産を取得する意思のある人がいるのか
相続直後に結論を出す必要はありませんが、話し合いの前提条件を整理しておくことが重要です。
③ 建物調査|将来の負担になるかを見極める

建物がある場合は、状態の確認が欠かせません。
- 継続使用や修繕が現実的か
- 税負担や管理責任を継続して負えるか
- 解体や処分にかかる費用を担えるか
建物の状態次第では、「相続することで負担が確定する」ケースもあります。
これは、相続放棄を検討する上で重要な判断材料になります。
④ 非農地証明|農地が動かせるかどうかを確認する

農地を含む相続では、その土地が制度上どのように扱われるかを把握する必要があります。
- 長年使われていない農地
- 実態として農地以外に使われている土地
これらは、条件を満たせば「非農地証明」の対象となることがあります。
証明が取れるかどうかは、相続するか放棄するかの判断に直結します。
⑤ 地目変更|検討事項として整理しておく
非農地証明が可能な場合、次に関係してくるのが地目変更です。
ただし、地目変更は、相続を受けるかどうか、また誰が相続するかが確定してから行うことになります。
相続直後は、「できるかどうか」を把握する段階にとどめることが合理的です。
相続直後に「すぐやらなくていいこと」
相続直後は、動いていないこと自体が不安になる時期でもあります。
しかし、次の作業は他の不動産の整理が終わるまで待つことができます。
遺品整理

遺品整理は大切な行為ですが、相続不動産の判断とは直結しません。
- 建物をどうするか未定
- 相続放棄の可能性が残っている
この段階で遺品整理を進めると、後から不要となり、結果として費用や労力が無駄になることもあります。
未登記建物の表題登記
未登記建物があっても、相続直後に必ず表題登記を行う必要はありません。
- 建物をどうするか
- 解体するか
方向性が定まってからで問題ありません。
まとめ|相続放棄を見据えるなら、まず不動産整理を急ぐ

相続直後に重要なのは、早く結論を出すことではありません。
ただし、相続放棄の期限は待ってくれません。
まずは不動産の状況整理を早期に行うことで、相続するか、放棄するかという選択肢を、現実的に比較できるようになります。
相続不動産を負動産にしないためには、「何を引き継ぐことになるのか」を期限内に把握することが出発点です。
焦らず、しかし後回しにせず、整理から進めることが最も安全な初動となります。
































