皆さま、こんにちは!
高知県で相続不動産や空き家、売却・処分が難しい負動産を専門に扱う、福島屋代表の上田です。
相続や名義整理の結果、土地や建物が共有名義になっているケースは珍しくありません。
しかし、売却や処分を考え始めたときに、
- 誰の同意が必要なのか
- 一人でも反対すると何もできないのか
- 放置するとどうなるのか
といった点で判断が止まってしまうことが多くあります。
そこで本日は、共有名義の不動産について、法律上できること・できないことと、現実的に起こりやすい問題について話してまいります。
目次
共有名義の不動産とは
共有名義とは、一つの不動産を複数人がそれぞれ持分を持って所有している状態です。
相続で兄弟姉妹が共同相続した場合などに多く見られます。
それぞれの共有者は割合を持っていますが、不動産を物理的に分けて使っているわけではありません。
この点が、意思決定を複雑にします。
共有名義の不動産で必要になる同意の範囲
共有名義では、行為の内容によって必要な同意が異なります。

全員の同意が必要な行為
次のような行為は、原則として共有者全員の同意が必要とされています。
- 土地全体の売却
- 建物の新築や大規模な造成
- 抵当権の設定
- 共有状態を大きく変える処分行為
土地や建物そのものの価値や形を変える行為については、一部の共有者だけで決めることはできません。
単独でできる行為(持分に限る)
一方で、自分の持分に限ってであれば、単独で行える行為もあります。
- 自分の共有持分の売却
- 持分の贈与
- 持分放棄
ただし、持分のみの取得を希望する第三者は少なく、売却先が見つかりにくいほか、意思決定や管理をめぐって他の共有者との関係が複雑になることがあります。
共有名義の不動産が動きにくくなる理由
共有名義の不動産が止まりやすい背景には、法制度だけでなく現実的な事情があります。
- 共有者の連絡先が不明
- 意向や優先順位がそろわない
- 管理や費用負担の考え方が異なる
- 不動産自体に活用価値が乏しい
特に過疎地や限界集落では、「誰かが使いたい富動産」というより、「誰も積極的に関わりたくない負動産」として扱われやすい傾向があります。

放置した場合に起こりやすいこと
共有名義の不動産をそのままにしていると、次のような状態が続きやすくなります。
- 固定資産税の支払いが続く
- 草刈りや管理が不十分になる
- 建物が老朽化し、安全面の不安が増す
- 次の相続で共有者がさらに増える
時間が経つほど、意思決定に関わる人数が増え、調整の難易度も上がっていきます。
その過程で、意見は出ても費用負担の合意が得られないまま、管理が滞るケースも少なくありません。
重要なのは「同意を集める前の整理」
共有名義の不動産では、「全員の同意が必要かどうか」だけを考えても、解決にはつながらないことがあります。
その前に、
- 土地の立地や利用状況
- 維持にかかる費用や手間
- 将来的に管理を引き継ぐ人がいるか
といった点を整理しておくことで、取るべき選択肢の範囲が見えてきます。
売却、贈与、制度利用、維持など、どの方向が現実的かは不動産ごとに異なります。

まとめ|原則として全員の同意が必要
- 共有名義の不動産の処分には、原則として全員の同意が必要
- 持分だけでできる行為もあるが、実務上の制約が多い
- 放置すると、状況は改善しにくくなる
共有名義の不動産は、法律だけでなく現実の事情を含めて考える必要があります。
判断を急がず、状況を整理したうえで次の一手を考えることが、結果的に負担の少ない整理につながります。

































