皆さま、こんにちは!
高知県で相続不動産や空き家、売却・処分が難しい負動産を専門に扱う、福島屋代表の上田です。
高知県の過疎地にある不動産は、もともと需要が極めて限られているという前提があります。
人口減少や生活インフラの縮小、雇用機会の少なさといった要因により、「欲しい人が少ない」状態が構造的に続いています。
そのうえで、状況をさらに複雑にしているのが、「法令上の制限」が重なりやすいことです。
需要が少ないだけであれば、時間をかけて譲渡先を探したり、条件を下げたりといった対応も考えられます。
しかし、法令によって「できないこと」が多い不動産になると、整理や判断は一気に難しくなります。
そこで本日は、「需要が少ない過疎地不動産 × 法令制限」この組み合わせがなぜ厄介なのかについて話してまいります。
目次
過疎地不動産は、もともと「選ばれにくい」
高知県の過疎地不動産は、一般的に次のような条件を抱えています。
- 利用目的が限定されやすい
- 将来の人口増加が見込めない
- 賃貸・売買ともに市場が薄い
この時点で、一般的に流通している不動産と同じ前提で考えることは難しい状況です。

そこに「法令上の制限」が加わると何が起きるのか
問題は、ここからです。
過疎地では、
- 市街化調整区域
- 都市計画区域外
- 災害区域
といった制限が重なりやすい傾向があります。
結果として、「需要が少ない」だけでなく「そもそも選択肢が極端に限られる不動産」になります。
① 建て替えできないことで選択肢が消える
建築基準法上の接道義務を満たしていない場合、

- 現在の建物は使えても
- 解体すると再建築できない
という状態になります。
需要が少ない地域では、「新しく建てたい」という需要はほぼ唯一の希望になることがあります。
それが法令上できないとなると、そもそも検討対象として見てもらえなくなります。
② 市街化調整区域が持つ現実的なハードル
市街化調整区域では、原則として新築が認められません。

- 例外的に認められる場合はあるが、条件は厳しい
- 判断基準は自治体ごとに異なる
- 結果として、条件に合った人にしか引き継げない
需要が少ない地域で、さらに「扱える人が限られる」状態になると、実質的に動かせない不動産になります。
③ 農地・山林は「使い道を考えにくい」
農地法や森林法による制限は、都市部では問題にならないことが多い一方、過疎地では中心的な課題になります。

- 農地は自由に売れない
- 山林は用途が限定される
- 転用や開発に現実的な見込みが立たない
需要が少ない中で用途まで限定されると、整理の方向性が見えなくなります。
④ 災害規制が「現実的判断」を後押しする
高知県では地形や立地の特性から、土砂・津波・洪水に関する災害規制が関係する不動産が少なくありません。

具体的には、
- 土砂災害警戒区域
- 津波浸水想定区域
- 洪水浸水想定区域
に該当する土地も多くあります。
これらは、人命や生活を守るために設けられた必要な制度ですが、不動産の利用や維持という観点では、
- 建築や増改築に追加の安全対策が求められる
- 対策費用が建物や土地の規模に見合わない
- 保険や維持管理の負担が継続的に発生する
といった状況が生じやすくなります。
その結果、制度上は可能であっても、費用面や現実性を考えると成立しないという判断に至ることも、決して珍しくありません。
なぜ「整理」が難しくなるのか

高知県の過疎地不動産の整理が難しい最大の理由は、そもそも需要が少ないうえに、そこへ法令上の制限が重なる点にあります。
「どうにかしたい」と考えても、法令上できることが限られていると、現実的な選択肢を見つけること自体が難しくなります。
法令制限は、価値判断ではなく「前提条件」

これらの法令は、
- 不動産の価値を決めるものではなく
- 感情的に良し悪しを判断するものでもなく
- 変更できるものでもない
あくまで、現実を整理するための前提条件です。
過疎地不動産では特に、この前提を飛ばして考えると、判断が長期化し、結果的に負担だけが残ることがあります。
まとめ|法令上できること・できないことを整理する
高知県の過疎地不動産は、
- もともと需要が少ない
- そこに法令上の制限が重なりやすい
- 結果として整理が難しくなる
という構造を持っています。
重要なのは、法令上できること・できないことを把握したうえで、現実的な選択肢を考えることです。

































