皆さま、こんにちは!
高知県で相続不動産や空き家、売却・処分が難しい負動産を専門に扱う、福島屋代表の上田です。
相続や先代からの引き継ぎで「山林を所有していることは知っているが、長年放置したままになっている」という相談は、高知県では珍しくありません。
ただし、山林は宅地や農地と違い、「いらないから手放す」という発想がそのまま通用する不動産ではありません。
そこで本日は、高知県の山林を放置したままにしている場合、どのような処分方法や選択肢が現実的なのかを、現場でよく直面する事情を踏まえて話してまいります。
目次
そもそも「売る」ことは簡単ではない

まず理解しておきたいのは、管理の行き届いていない山林の売買は非常に難しいという現実です。
- 定期的な間伐がされていない
- 竹林化している
- 林道がなく重機が入らない
- 急傾斜地が多い
こうした条件が重なると、木材価値はほとんど期待できず、買い手は極端に限られます。
特に高知県の山林は地形条件が厳しく、「買っても収益につながらない」と判断されるケースが大半です。
「誰かが買ってくれるだろう」という前提は、現実には成立しないことがほとんどです。
国庫帰属制度も、万能ではない

近年、「不要な土地を国に返せる制度」として注目されている相続土地国庫帰属制度ですが、高知県の山林では制度の利用自体が現実的でないケースが多く見られます。
例えば、
- 急傾斜地である
- 竹林が広がっている
- 道がなく維持管理が困難
- 地籍調査が未完了で場所の特定すら難しい
このような条件に該当すると、制度の要件を満たせず申請が受理されない可能性が高いだけでなく、そもそも申請にたどり着けないこともあります。
制度があるからといって、誰でも使えるわけではない点には注意が必要です。
「場所が分からない」山林が非常に多い

高知県の山林問題で特に多いのが、相続人自身が山林の場所を把握していないケースです。
- 登記簿上の地番はあるが、どこにあるのか分からない
- 境界が不明で、隣地との区別がつかない
- 現地に行こうにも目印がなく辿り着けない
この状態では、売却・贈与・国庫帰属のどれを選ぶにしても進みません。
まずは資料を集め、地番・字・おおよその位置を確認し、必要に応じて専門家の手を借りて場所を特定するところから始める必要があります。
無償譲渡という選択肢も現実的

「売れない山林=処分不可能」と思われがちですが、「無償譲渡」という選択肢が現実的になるケースもあります。
無償譲渡では、
- 林業とは別の視点で活用を考える人
- 特殊な技能によって、放置されていた植林を価値あるものに変えられる人
- そのほか、独自の目的を持つ人
など、所有者自身が思いつかない活用方法を見出す譲受人が現れることがあります。
もちろん、すべての山林で成立するわけではありませんが、放置しか選択肢がないと考えるより、視野は広がります。
放置し続けるリスクも無視できない

山林は使っていなくても、所有している以上、責任から逃れることはできません。
- 森林火災発生時の所有者責任
- 不法投棄の発見・対応負担
- 倒木・土砂流出による近隣被害リスク
- 倒木や繁茂による行政指導リスク
放置していることで、突然“負担だけが発生する”局面に直面することもあります。
「何もしていないから大丈夫」という状態ではない点は、冷静に認識しておく必要があります。
まとめ|山林処分は「出口を一つに決めない」ことが重要

高知県の放置山林は、
- 市場で売却できるケース
- 第三者への無償譲渡が現実的なケース
- 当面保有しながら整理を進めるケース
- 国庫帰属を検討すべきケース
と、条件によって取るべき対応が大きく異なります。
重要なのは、最初から一つの結論に決めつけないことです。
場所の特定、境界について把握できているかどうか、地形や林道の整備・管理状況を整理したうえで、その山林にとって現実的な出口を探ることが、結果的に負担を減らす近道になります。
放置されている山林に向き合うことは、決して簡単ではありません。
しかし、現実を把握し、できることから整理していけば、取れる選択肢がまったくないわけではありません。































