みなさん、こんにちわ!
株式会社福島屋代表の上田です。
本日は、認知症などによって判断能力が低下した人を法的に支援する制度、「成年後見制度」について話してまいります。
目次
成年後見制度とは?制度の基本と対象者
成年後見制度ってなに?
年をとって「お金の管理がむずかしくなった」「騙されやすくなってしまった」という人のために、だれかが代わりにしっかりサポートしてくれる仕組みを「成年後見制度(せいねんこうけんせいど)」といいます。
たとえば、おばあちゃんがむずかしい書類にサインできないとき、信頼できる人が代わりに手伝ってくれる、そんな制度です。
どんな人が使えるの?
この制度は、「ひとりで大事なことを決めるのが大変な人」が対象になります。
- 認知症で物事をわすれてしまう人
- 生まれつき、判断がむずかしい人
- 事故や病気で、しっかり考えることがむずかしくなった人
どんな種類があるの?
成年後見制度には、次の2つの種類があります。
- 法定後見:すでに判断がむずかしくなってしまった人のために、家庭裁判所が手続きをしてくれる制度。
- 任意後見:まだ元気なうちに「もしも将来困ったら、この人にお願いしたい」と決めておく制度。
成年後見制度の利用条件と申請手続き
誰が申し込みできるの?
本人が「困っている」と気づけない場合は、家族や親せき、医師などが「家庭裁判所」に申し込みをします。
どんな書類が必要?
申し込みには、次のような書類を提出します。
- 本人の健康に関する診断書
- 家族構成やお金に関する書類
- 成年後見人になってくれる人の情報
手続きにはどのくらいの時間がかかるの?
申し込みから成年後見制度がスタートするまでに、だいたい2〜3か月くらいかかります。早ければ1か月でスタートできますが、書類に不備があるともっと時間がかかることもあります。
成年後見人の役割と権限
成年後見人ってなにをするの?
成年後見人は、困っている人のかわりに次のようなことをします。
- 銀行でお金の出し入れをする
- 介護サービスの申し込みをする
- 必要な買い物を代わりにする
誰が後見人になれるの?
家族がなることもありますが、むずかしい場合は、弁護士や司法書士といった専門家にお願いすることもあります。
成年後見制度を利用するメリットとデメリット
利用するメリット
- お金の管理が安心できる
- 大切な契約ごともスムーズに進められる
- 悪徳商法や詐欺に巻き込まれるリスクを回避できる
利用するデメリット
- 一度はじめると、やめるのがむずかしい
- 毎年の報告や書類が必要
- お金がかかる(専門家の報酬など)
よくある質問(Q&A)
成年後見制度の費用と報酬の目安
手続きにかかるお金
- 申し立て費用(5,000円〜1万円)
- 医師の診断書代(1万円前後)
- 専門家に頼むと、別に費用がかかる
後見人へのお礼(報酬)
- 家族なら、無料のこともあります
- 専門家にお願いすると、月に2万円〜3万円が目安です
費用をおさえるには?
市区町村によっては、「成年後見の支援制度」があるところも。役所に相談してみましょう!
成年後見制度利用中のトラブルとその解決法
どんなトラブルがあるの?
- お金の使い方で家族とモメる
- 後見人が仕事をサボる
- 勝手に物を売られたと感じる
トラブルが起きたらどうする?
- すぐに家庭裁判所に相談
- 市役所の「福祉課」などでも相談できます
後見人を変えることもできる?
はい。きちんと理由があれば、後見人を変えてもらえる制度もあります。
成年後見制度と他の後見制度の違い
任意後見とのちがいは?
- 任意後見:元気なうちに、信頼できる人を自分で決める
- 成年後見(法定):判断がむずかしくなってから、裁判所が決める
保佐・補助とのちがいは?
- 保佐:少しだけサポートが必要な人向け
- 補助:もっと少しのサポートで足りる人向け
成年後見制度を安心して利用するために
まとめとポイント
- 成年後見制度は、大切なお金や生活を守る制度
- 判断がむずかしい人をしっかりサポートできる
- 家庭裁判所が見守ってくれるから安心