皆さま、こんにちは!
高知県で、山林や農地をはじめ、相続後の扱いに困っている土地や、売却・処分が難しい「負動産」を専門としている福島屋代表の上田です。
再建築不可物件の譲渡では、「接道」ばかりに目が行きがちですが、もう一つ重要なポイントがあります。
それが「囲繞地(いにょうち)通行権」です。
とくに、建築基準法上の道路に接していない土地では、不安を感じる方も少なくありません。
しかし結論から言えば、囲繞地通行権が適切に成立していれば、過度に心配する必要はありません。
そこで本日は、安心して取引を進めるために、囲繞地通行権の基本と実務上の確認ポイントについて話してまいります。
目次
囲繞地(いにょうち)通行権とは何か

囲繞地通行権とは、袋地の所有者が、公道に出るために周囲の土地を通行できる権利です。
民法上、袋地の所有者には「必要最小限の通行」が認められており、外部との出入りは法律によって確保されています。
つまり、道路に接していない土地であっても、完全に孤立してしまうことはありません。
再建築不可物件と通行権の関係
再建築不可物件の多くは、次のような特徴を持っています。
- 建築基準法上の道路に接していない
- 接道幅が2m未満
- 位置指定道路の要件を満たしていない
このような土地では、囲繞地通行権によって日常の出入りが支えられています。
言い換えれば、再建築不可物件は、囲繞地通行権によって実用性が担保されているケースが多いということです。
譲渡時に確認すべき実務ポイント

安心して取引するためには、以下の点を整理しておくことが重要です。
いずれも「使えることを確認する」ためのポイントです。
① 通行ルートの特定
- 実際にどの経路を通行しているのか
- 登記や図面と現況が一致しているか
現在の利用状況が明確であれば、安心して引き継ぐことができます。
② 権利の根拠
- 民法上の囲繞地通行権か
- 地役権設定の有無
- 黙認ではなく継続的に認められているか
法的に裏付けのある通行であれば、安定して利用できます。
③ 所有者が変わった場合の通行権の扱い
- 通行ルートが明確になっているか
- 通行方法(徒歩・車両など)が整理されているか
囲繞地通行権は法律で認められた権利であり、所有者が変わっても通行自体が否定されるものではありません。
事前に内容を整理しておくことで、スムーズに引き継ぐことができます。
④ 幅員と現況
- 実際の通路幅はどの程度か
- 障害物や支障物がなく、安全に通行可能な状態にあるか
現況に問題がなければ、そのまま継続利用が可能です。
⑤ 対価・負担の有無
- 通行料の有無
- 維持管理の取り決め
条件が明確であれば、将来的な不安も軽減できます。
よくあるトラブル事例
実務では、通行方法や負担について話し合いが必要になるケースがあります。
- 通行方法について認識のすり合わせが必要になった
- 通行料や管理について調整が行われた
ただし、これらは事前に整理しておけば円滑に解決できる内容がほとんどです。
見落とされやすい重要な視点
囲繞地通行権については、次の点を押さえておくと安心です。
- 法律で通行が保障されている
- 最低限の出入りは必ず確保される
- 実務では「使い方の整理」が重要
つまり、「通れないのでは」という不安よりも、「どう使うか」を確認することが大切です。
まとめ|囲繞地通行権があれば再建築不可でも取引できる
再建築不可物件の譲渡において、囲繞地通行権は重要なポイントではありますが、過度に不安視する必要はありません。
囲繞地通行権は民法上認められた権利であり、適切に確認・整理しておけば、安定して利用することができます。
現在通行できている状況を前提に、その内容・範囲を整理しておくこと。
それが、譲渡人・譲受人双方にとって安心して進められる取引につながります。






























