【高知市】相続した共有名義の土地と築古店舗について、売却や処分の可能性をご相談させてください

不動産解決事例

ご相談者:高知県高知市N様
物件所在:高知県高知市

ご相談内容

昨年、母が他界し、築72年の木造店舗付き土地を相続しました。

その土地は私を含めた5名の共有名義となっており、他の4名の共有者とは血縁関係のない方々です。固定資産税については、毎年持ち回りで集金・納付を行い、管理を続けている状況です。

店舗は長らく使われておらず、すでに10年以上が経過しています。現在は空き店舗となっており、建物の老朽化もかなり進んでいます。

また、他の共有者の多くが高齢であることから、今後それぞれに相続が発生すれば、名義がさらに細分化し、権利関係が複雑になることが強く懸念されます。

このような状況の中、共有者全員で話し合いができれば、土地と建物を売却または贈与といった方法で早めに整理することは可能でしょうか。

トラブルや手続きの煩雑化を避け、精神的にも経済的にも少しでも早く身軽になれるよう、最適な方法をご助言いただければ幸いです。

物件の状況整理

  • 土地はご相談者さまを含め5名での共有名義となっており、所有者全員での合意形成が必要な状態です。
  • 建物は築72年を経過した木造の旧店舗で、老朽化が著しく、安全面や資産価値にも課題があります。
  • ご相談者さまの持分は約9坪相当と狭小であり、単独での活用や処分が難しい面積です。
  • 店舗内部には多くの残置物が放置されており、現状ではすぐに活用できる状態にはありません。
  • 一方で、立地条件は良好であり、周辺環境や需要によっては工夫次第で再活用や売却の可能性も見込めるエリアです。

ご提案した解決策

複雑化リスクの高い共有不動産でも、柔軟な提案でスムーズに売却へ

ご相談者さまは、昨年お母さまから相続された築72年の木造店舗付き土地について、売却または贈与による整理をご希望でした。
しかし、土地はご本人を含めて5名の共有名義となっており、他の4名の共有者とは血縁関係もなく、固定資産税も持ち回りで管理している状態です。建物はすでに10年以上使用されておらず老朽化が進み、今後の相続による名義の細分化や権利関係の複雑化が強く懸念される状況でした。

共有者との話し合いと現実的な課題

ご相談を受け、まずは他の共有者とお話をさせていただきましたが、それぞれの考え方や事情が異なり、一筋縄ではいかないと感じました。
なかにはすでに相続が発生している方もおり、高齢の所有者もいらっしゃることから、このままではさらに状況が複雑化するリスクが高まると判断しました。

2つの売却案をご提案

状況を踏まえ、以下の2つの現実的な売却方法をご提案しました。

① 共有者のひとりに持分を買い取ってもらう方法

共有持分は、法的には単独で売却可能です。このケースでは、建物を含めた形で他の共有者のひとりが土地持分を買い取ることをご提案しました。
この方法であれば、共有者全員の合意や大規模な手続きは不要で、登記費用も比較的安価に抑えることができます。
ただし、買い取る側が建物の活用意向を持っているかどうかが成功のポイントになります。

② 分筆して一部を売却(売り店舗化)する方法

共有者全員の合意が得られた場合には、以下の手順で分筆と売却を進めることも可能です。

  1. 共有者全員の売却合意
  2. 境界確定作業(隣接地2面の所有者・前面道路の所有者である高知市の立会い)
  3. 分筆登記
  4. 根抵当権の抹消(他共有者持分に設定あり)
  5. 売却対象部分の所有権をご相談者さまに移転
  6. 土地建物の売買契約による所有権移転
  7. 残地の持分を共有者4名に再移転

この方法は手間と費用がかかりますが、土地を切り分けて売却できるため、資産としての価値を最大化できる可能性があります。

ご相談者さま負担の登記費用は目安として、

案①:約6万円(司法書士報酬含む)
案②:約150万円(土地家屋調査士・司法書士報酬含む)

が想定されます。

複数の売却ルートを用意することが成功のカギ

このような共有不動産の売却では、複数の選択肢を同時に検討・進行することが非常に重要です。
方法が一つしかないと、交渉が難航した際に売却の機会を逃してしまいますが、複数の道筋を用意しておけば、柔軟に対応できる余地が広がります。

最終的な解決

共有者が建物付きで買い取りへ

最終的には、共有者のお一人がご相談者さまの土地持分(建物付き)を買い取ってくれることになりました。
当初は合意形成が難しいかに思えた案件でしたが、選択肢を明確に示しながら話し合いを重ねたことで、無事に解決へと導くことができました。

このように、たとえ複雑な共有不動産であっても、丁寧な関係整理と柔軟な提案により、解決の道は見えてきます。

専門性が求められるご相談にも、福島屋は丁寧にお応えします。高知の相続不動産や空き家、売却・処分が難しい不動産に関するお悩みなら、まずはお気軽に《無料相談をご予約》ください。