皆さま、こんにちは!
高知県で相続不動産や空き家、売却・処分が難しい負動産を専門に扱う、福島屋代表の上田です。
借地権が設定されている土地に建つ建物は、一見すると一般的な建物と変わらないように見えます。
しかし、土地と建物の所有者が異なるという点で、その成り立ちや扱い方は、通常の不動産とは大きく異なります。
借地権が関係する不動産を考えるうえでは、「土地はいくらか」「建物は古いか」といった単純な話よりも、権利がどのように分かれ、どのように重なっているかを整理することが欠かせません。
そこで本日は、借地権割合を一つの手がかりとして、底地と借地の関係性、そして借地上の建物をどう捉えるべきかを話してまいります。
目次
借地権割合とは何を示しているのか

借地権割合は、土地に関わる二つの立場である、底地(地主)と借地(借地権者)の力関係を数字で示したものです。
割合が高い地域では、借地権者が土地を使う権限が比較的強い傾向があり、割合が低い地域では、地主側の権利が相対的に大きいとされます。
ただし、この割合は、その不動産の使いやすさや、将来の扱いやすさを直接示すものではありません。
あくまで、「どのような権利構造になっているか」を理解するための目安として捉えることが重要です。
借地権割合を確認する方法

借地権割合は、個別の契約ごとに決められているものではなく、「地域ごとに定められている目安」です。
具体的には、国税庁が公表している「路線価図」に、アルファベット(A〜Gなど)で表示されています。
このアルファベットが、その道路に面する土地の「借地権割合」を示しており、対応する割合は国税庁の一覧表で確認できます。
・国税庁(路線価図・評価倍率表)
https://www.rosenka.nta.go.jp/
確認の流れは次のとおりです。
- 国税庁の路線価図を確認する
- 該当する道路の記号を探す
- 対応する借地権割合を一覧表で確認する
なお、路線価が設定されていない地域では、倍率方式による評価が用いられ、借地権割合も別途定められています。
ただし、ここで確認できる割合は、あくまで地域の標準的な目安です。個々の不動産の実情や、借地契約の内容そのものを示すものではありません。
底地と借地は切り離せない関係にある
借地権が設定された土地では、一つの土地を、底地と借地という二つの権利に分けて考えることになります。

底地の立場
底地は土地の所有権を持っていますが、その土地を自由に使えるわけではありません。
- 建物の存在を前提とした土地
- 利用方法に制限が生じやすい
- 契約内容によって実務上の動きが左右される
こうした特徴があります。
借地の立場
一方、借地権者は土地を利用できますが、土地そのものを所有しているわけではありません。
- 利用はできるが、恒久的な自由はない
- 更新や建替えに条件が付くことがある
- 契約関係が将来に大きく影響する
底地と借地は、どちらか一方だけで完結するものではなく、常に相手の存在を前提として成り立つ関係です。
借地上の建物を考えるということ

借地権が関係する建物は、「建物単体」で考えてしまうと、実態を見誤ることがあります。
借地上の建物を考える際には、次の三つを切り分けて整理する必要があります。
① 土地との関係を踏まえた建物
借地上の建物は、土地と切り離して存在しているようでいて、実際には土地との関係に強く影響を受けます。
- 建替えが自由にできるか
- 解体後の扱いはどうなるか
- 将来、どのような選択肢が残されているか
これらは、建物の状態そのものよりも、借地契約の内容によって左右されます。
② 建物の状態と役割
建物自体は、構造や築年数など、一般的な視点で確認します。
ただし、借地上の建物では、「建物にどれほど価値があるか」よりも、「この建物が現在の権利関係の中で、どんな役割を持っているか」が重要になる場面も少なくありません。
古い建物であっても、契約関係との組み合わせによっては、単なる老朽建物以上の意味を持つことがあります。
③ 契約条件が建物の位置づけを決める
借地上の建物を考える際、借地契約書の存在は欠かせません。
- 更新に関する考え方
- 建物の存続をどう扱うか
- 名義変更や承継の条件
これらの定めによって、建物の「扱い方」や「将来像」が大きく変わります。
同じように見える建物であっても、契約条件が違えば、置かれている状況はまったく異なります。
借地権割合は「入口」にすぎない

借地権割合は、底地と借地の関係を理解するうえで分かりやすい指標です。
しかし、その数字だけを見て判断してしまうと、現実の状況からずれてしまうことがあります。
借地権が関係する不動産では、
- 権利の分かれ方
- 契約の中身
- 建物の立ち位置
を一つずつ整理することが、状況を正しく把握するための第一歩になります。
まとめ|借地権割合は判断の出発点にすぎません
借地権割合は、底地と借地の関係性を理解するための「手がかりの一つ」です。
借地上の建物は、単に「古いか新しいか」ではなく、どのような権利構造の中に置かれているかによって意味合いが変わります。
数字に結論を委ねるのではなく、権利と建物の関係を丁寧に読み解くことが、今後の判断を誤らないための土台になります。

































