皆さま、こんにちは!
高知県で相続不動産や空き家、売却・処分が難しい不動産を専門に扱う、株式会社福島屋代表の上田です。
生前整理というと「物の片づけ」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、本当に大切なのは、財産をどのように引き継ぐかを整理しておくことです。
とくに不動産のように、簡単には分けたり処分したりできない財産こそ、早めに整理しておくことで家族の安心につながります。
そこで本日は、「不動産をお持ちのご本人(被相続人)目線」で、家族の負担を減らすための「不動産の生前整理」について話してまいります。
目次
なぜ今、「不動産の生前整理」が求められているのか?
財産を残すつもりが“迷惑”になることも
自分では「家や土地を残せば喜ばれる」と思っていても、相続する側にとっては必ずしも歓迎されるとは限りません。
例えば、次のような問題が起こる可能性もあります。
- 固定資産税や管理責任が相続人の負担になる
- 相続人が遠方に住んでいると名義変更や売却の手続きが大変になる
- 相続人が分け方でもめてしまう
放置すると「負動産」になることも
誰も住まない家をそのまま残してしまうと、空き家となって老朽化が進み、草木が伸びて周囲に迷惑をかけてしまうこともあります。そうした事態を避け、家族に負担をかけないためにも、「今ある家や土地をどうしていくか」をあらためて見直すことが大切です。
生前整理のメリットは?
不動産は分けるのが難しく、手続きにも手間がかかりますが、生前に整理しておけば、家族の負担を減らすことにつながります。
不動産を売却して現金化すれば分けやすい
不動産をめぐっては、「誰が相続するか」「売るのか残すのか」「管理は誰がするか」などで、家族の間に意見の食い違いが生まれやすいものです。あらかじめ現金にしておけば、分けやすくなり、家族の負担をぐっと減らすことができます。
生前贈与で現金が手に入る
「相続時精算課税制度」を使えば、子ども1人あたり2,500万円までの贈与が非課税になります。将来的に相続税の課税対象にならない見込みの方には、有効な選択肢となります。
不動産の生前整理、具体的に何から始めればいい?
自分の不動産を把握する
- 名寄帳や固定資産税の通知書を確認することで、所有している不動産の種類や所在地・評価額を把握する
- 登記簿謄本を確認することで、不動産の名義人や地積(面積)、抵当権などの担保の有無を把握する
抵当権を抹消する
借入金を完済している場合は、登記簿に残っている抵当権や根抵当権を抹消しましょう。
家族と話し合う
「所有している不動産を売るのか、それとも誰かが相続するのか」といった将来のことは、元気なうちに家族と話し合っておくことが大切です。
場合によっては、不動産を売却して現金にしておくことで、財産を分けやすくなり、トラブルを防ぐ手段にもなります。
専門家に相談する
不動産の売却や贈与には、不動産会社・税理士・司法書士のサポートが欠かせません。
複雑な手続きや税金の判断を一人で抱え込まず、信頼できる専門家に相談しましょう。
まとめ|家族のために、できることから始めよう
不動産の生前整理は、相続税対策のためだけでなく、大切な家族に余計な負担をかけないための“やさしさの備え”です。
元気な今だからこそできるその準備が、将来の家族の安心と負担の軽減につながります。
今日からできる3つのアクション
- 登記簿や固定資産税の通知書を見て、不動産の種類や抵当権の有無・評価額を確認する
- 家族と一緒に、所有している不動産の使い道や今後について話し合う
- 相続や不動産に詳しい専門家(不動産会社・税理士・司法書士など)に相談してみる