皆さま、こんにちは!
高知県で相続不動産や空き家、売却・処分が難しい負動産を専門に扱う、福島屋代表の上田です。
「うちの実家は築年数が古いから、もう売れないですよね?」
相続空き家のご相談で、最も多く聞く言葉のひとつです。
確かに築年数は、不動産の価値を左右する要素ではあります。
しかし、私がこれまで高知県で数多くの相談を受けてきた中で感じるのは、売れなくなった本当の原因は“築年数そのもの”ではないという事実です。
結論から言えば、多くのケースで共通しているのは判断を先送りにしてしまったことです。
そこで本日は、築年数だけでは説明できない「空き家が売れなくなってしまう本当の理由」について、実例を交えながら話してまいります。
目次
売れなくなった本当の原因は築年数ではない
築年数が同じでも「売れる家」と「売れない家」が分かれる理由
同じ築年数、同じ地域にある建物でも、
- すんなり売れる物件
- まったく問い合わせが入らない物件
に分かれることは珍しくありません。
この差を分けているのは、建物の年数よりも「いつ・どの段階で判断したか」です。
価格では説明できない“不動産の扱われ方”の差
不動産は、価格を下げれば必ず動くわけではありません。
中には、無償でも引き取り手が見つからない不動産も存在します。
- 内覧の対象に入らない
- 掲載しても反応がない
- 不動産会社の提案優先度が下がる
こうした状態になると、価格以外の問題を抱えている可能性が高くなります。

「もう少し様子を見る」が招く判断の先送りリスク
空き家の判断を遅らせがちな3つの心理
判断を遅らせてしまう背景には、次のような心理があります。
- まだ使うかもしれない
- 思い出があって決断できない
- 今すぐ困っていない
これ自体は、ごく自然な感情です。
しかし「保留」の判断が長引くほど、不動産は少しずつ市場から距離を置かれていきます。
時間経過で確実に進む“需要と評価の低下”
判断を先送りにしている間にも、
- 近隣空き家の増加
- 建物の老朽化・管理不全
- 地域全体の需要縮小
は、確実に進行しています。
そして問題なのは、気づいた時には、取りうる選択肢が大きく限られてしまっていることです。

売れなくなるのは価格が下がった瞬間ではない
問い合わせが止まる「市場から外れる瞬間」
売れなくなる瞬間は、価格が下がったときではありません。
- 検討対象から外されたとき
- 「後回し物件」として見られたとき
この段階に入ると、価格調整だけでの巻き返しは難しくなります。
不動産会社の扱いが変わるタイミングとは
不動産会社もビジネスです。
反応がない物件は、どうしても優先度が下がります。
結果として、
- 動きがさらに遅くなる
- 「売れない物件」という印象が強化される
という悪循環に入ってしまいます。

【高知県特有】空き家・土地が一気に動かなくなる背景
人口減少と需要縮小が全国平均より早く進む高知県
高知県は、全国的に見ても人口減少と高齢化が早く進んでいる地域です。
特に、
- 過疎地・中山間地域・限界集落
- かつて住宅需要があったが、交通の便が悪い団地
では、「そのうち売れる」という前提自体が成り立ちにくくなっています。
過疎地・中山間地域では“待つほど不利”になる理由
高知県では、
- 同時期に相続物件が大量に増える
- 空き家が5軒に1軒
- 買い手の減少
といった要因が重なり、判断の遅れが致命的になりやすい傾向があります。
高知県で多い「売れない前提で考えるべき不動産」
福島屋に多く寄せられるのは、次のような不動産です。
- 過疎地・限界集落にある空き家
- 接道条件に課題のある借地権付き空き家
これらは築年数の問題ではなく、判断のタイミングと適切な処分方法を選べるかどうかが重要になります。

福島屋が考える「売却ありきにしない不動産整理」
高知県で必要なのは“出口を一つに絞らない判断”
福島屋では、最初から売却に固執しません。
- 無償譲渡
- 隣地調整
- 解体+出口戦略
- 国庫帰属制度
複数の選択肢を並べ、最も迅速かつ負担の少ない方法を一緒に考えていきます。
売却・無償譲渡・国庫帰属をどう比較するか
大切なのは、
- 今後かかる費用
- 管理の負担
- 次の世代への影響
を冷静に比較することです。
「売れないから失敗」ではなく、どう整理するかが成功・失敗を分けます。

判断を早める=今すぐ手放すことではない
まずは状況整理だけでOKな理由
判断を早めるとは、
- 現在の状況を整理する
- どんな可能性があるのかを知る
- 取り得る選択肢を把握する
これだけでも十分です。
無理に結論を出す必要はありません。
数字と選択肢を知ることが最大のリスク回避
状況を整理しないまま先送りすることが、結果的に最もリスクの高い選択になります。
一度整理しておけば、「まだ待つ」という判断も意味を持ちます。

まとめ|高知県の空き家こそ「築年数より判断のタイミング」が大切
売れなくなった理由は、築年数や建物の古さそのものではありません。
判断を遅らせたことが、結果を大きく左右します。
もし今、
- 整理すべきか・処分すべきか迷っている
- 将来の管理や負担に不安を感じている
のであれば、困ってからではなく、迷っている今こそ状況整理のタイミングです。
まずは、空き家の状況整理に対応している不動産会社や専門家に相談してみましょう。































