皆さま、こんにちは!
高知県で、山林や農地をはじめ、相続後の扱いに困っている土地や、売却・処分が難しい「負動産」を専門としている福島屋代表の上田です。
相続で山林を取得したあと、役場で調べて初めて「砂防指定地」「急傾斜地崩壊危険区域」に該当していることを知ることは、高知県では珍しい話ではありません。
近年は相続土地国庫帰属制度が始まり、「国に引き取ってもらえるのではないか」と考える方も増えています。
では、砂防指定地や急傾斜地の山林は国庫帰属できるのでしょうか。
結論から言えば、指定されているだけで直ちに不可能とは限りません。
ただし、一般の平地に比べると審査は慎重になりやすい傾向があります。
そこで本日は、相続した山林が急傾斜地や砂防指定地に該当していた場合に、どのような点に注意すべきかについて話してまいります。
目次
砂防指定地とは何か

砂防法に基づき、土砂災害の防止を目的として指定される区域です。
指定地では、
- 盛土や掘削などの形状変更
- 工作物の設置
- 伐採
などが許可制または制限対象となります。
高知県は山地が多く、谷筋や急斜面を含む山林が広範囲に指定されています。
地目が「山林」であっても、実際には規制区域に含まれていることが少なくありません。
急傾斜地崩壊危険区域とは
急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づく区域で、がけ崩れのおそれが高い場所が対象になります。
こちらも行為制限があり、擁壁工事などが将来的に問題となる可能性があります。
国庫帰属制度の判断基準

相続土地国庫帰属制度では、次のような土地は承認されません。
- 通常の管理が困難な土地
- 災害の発生リスクが高い土地
- 管理や処分に過分な費用を要する土地
重要なのは、「指定地であること」そのものよりも、国が将来の管理に著しい負担を負うかどうかという点です。
砂防指定地が慎重に判断されやすい理由
高知の山林実務では、次のような事情が重なることがあります。
- 境界が不明確である
- 接道がない
- 傾斜が強く現地確認が困難
- 過去に崩落や倒木の履歴がある
- 排水設備や排水経路が十分に整っていない
これらの事情がある場合、「通常の管理が可能な土地」と評価されにくくなり、相続土地国庫帰属制度の審査において慎重に判断される可能性があります。
とくに高知県の山間部では、複数の要素が同時に存在することも少なくありません。
単独の事情よりも、総合的な状況が見られる点に注意が必要です。
ただし、指定区域に含まれていても、
- 安定した山林で崩壊リスクが低い
- 管理行為がほぼ不要
- 境界が明確
といったケースでは、直ちに否定されるとは限りません。
あくまで個別判断となります。
高知県の山林相続で確認しておきたい点

山林を相続した場合、または相続が予定されている場合には、次の点を早めに確認しておくことが望まれます。
- 砂防指定地かどうか
- 急傾斜地崩壊危険区域に該当するか
- ハザードマップ上の位置
- 境界が客観的に確認できる状態か
- 実際に立ち入り可能かどうか
固定資産税の負担が軽い土地や、課税されていない山林であっても、所有者の管理責任がなくなるわけではありません。
災害が発生した場合の責任の問題や、行政あるいは近隣住民からの連絡や指摘につながることもあります。
国庫帰属だけが選択肢ではない
砂防指定地や急傾斜地に該当する山林では、
- 共有者間の整理
- 隣接所有者との調整
- 管理体制の見直し
といった対応が現実的な解決策となる場合もあります。
国庫帰属制度は一つの選択肢ではありますが、すべての土地に当てはまる制度ではありません。
土地の状況に応じて、複数の方向から検討することが大切です。
まとめ|砂防指定地・急傾斜地はまず土地の現状把握から

砂防指定地や急傾斜地の山林でも、国庫帰属が直ちに不可能になるわけではありません。
しかし、
- 管理の困難性
- 災害リスク
- 将来的負担
がある場合、審査は慎重になりやすいのが実情です。
高知の山林に関する相続では、「思っていたよりも制限が多かった」と後から知るケースも少なくありません。
すでに相続された場合はもちろんのこと、これから相続が見込まれている場合や、相続放棄を含めて判断を迷われている段階であっても、まずは土地の状況を正確に把握しておくことが大切です。
制度の利用可否や最終的な選択は、その確認を踏まえたうえで検討することになります。
































