みなさん、こんにちわ!
株式会社福島屋代表の上田です。
本日は、相続した実家の解体や売却を検討している方に向けて、近年規制が強化されている「アスベスト」について話してまいります。
アスベスト(石綿)とは
アスベスト(石綿)は、耐火性・耐久性・断熱性に優れた鉱物繊維で、かつては建材に広く使われていました。とくに、1970年〜1980年代に建てられた建物に多く見られます。
しかしその後、アスベスト繊維を吸い込むことで肺がんや中皮腫などの重篤な病気を引き起こすリスクがあることが判明し、2006年には原則使用が全面禁止となりました。
アスベストがあると解体費が高くなる
アスベスト含有建材を解体するには、通常よりも厳格な安全対策と手続きが必要です。これにより人件費・作業時間・処分費が大幅に増加します。
主なコスト要因は次のとおりです。
- 事前調査の義務化(2022年4月〜)
解体前に有資格者によるアスベスト調査が必要になりました。 - 作業の分離・隔離・養生
飛散防止のため、建物を密閉しながら慎重に取り扱います。 - 産業廃棄物の特別処理
アスベストを含む廃材は、専門施設での処分が必要で割高です。
解体費用はアスベストの有無でどう変わる?
以下は、30坪(約100㎡)の木造住宅を例にした解体費の相場感です。
状況 | 解体費用(概算) |
---|---|
アスベストなし | 約100~150万円 |
アスベストあり(軽度) | 約150~200万円 |
アスベストあり(重度) | 250万円以上になることも |
※「重度」とは、吹付けアスベストなど飛散性の高いケース。
アスベストがある建物でも売却はできる?
アスベストがある建物でも売却は可能です。
ただし、アスベストがあることは買主に説明義務があります(宅建業法)。
そのため、告知なしで売却した場合、契約解除や損害賠償の対象になるリスクがあります。
売却の選択肢は次のとおりです。
- アスベストありの条件付きで売買契約(事前告知+値引き)を行う
- 解体して更地で売る
まとめ
✅ アスベスト含有の有無は、解体費に大きく影響する
✅ 調査と除去には法的な義務と厳しいルールがある
✅ 解体かそのまま売却か、適切な判断には専門家の助言が必要
「アスベストがある建物=危険でお金がかかりそう」という印象は間違っていませんが、実績のある業者に依頼することで、無駄なコストを抑えた解体・売却は十分に可能です。