ご相談者:高知市S様
物件所在:高知県安芸市
ご相談内容
安芸市内で相続した土地について、場所が分からない状態のまま放置しており、手放す方法があるのか状況の整理をしてほしいというご相談をいただきました。
まず、公図や課税資料等を基に、当該土地の位置特定を行うところから着手しました。
そのうえで、土地の内容について調査を行った結果、
- 登記地目:農地
- 課税地目:山林
- 現況:竹林
となっており、すでに農地としての利用実態はありませんでした。
一方で、登記地目が農地である以上、農地法に接触する可能性があるのか、また、相続土地国庫帰属制度の対象になり得るのかなど、制度面・手続き面について不安を感じておられました。
さらに、
- 土地が狭小で使い道が限られること
- 地籍調査が未了で境界があいまいであること
もあり、「この土地をこの先どう整理すればよいのか」という点が大きな課題となっていました。
物件の状況整理

現地および関係資料を確認した結果、以下の点が明らかになりました。
- 現況は竹林であり、農地としての復旧・利用は現実的ではない
- 登記地目が農地のままでは所有権移転に農地法の制限が生じる
- 竹林であることから、相続土地国庫帰属制度の要件を満たさない可能性が高い
- 地籍調査が未了で法的な筆界は確定していない
また、隣接地の登記状況を確認すると、
- 明治時代のまま登記が止まっている土地
- 相続人不明土地として登記されている土地
- 最も新しい所有権移転登記でも昭和中期(約70年前)
といった、相続・境界問題を抱えた土地が連続している地域であることも分かりました。
当社のご提案と対応

まず、農地法による手続きの複雑化を避けるため、農地として扱わないための整理を優先しました。
具体的には、
- 現況確認
- 必要資料の収集・整理
- 非農地証明の取得
を行い、畑から山林への地目変更が可能な状態を整えました。
次に、境界が不明確な点については、
- 公図
- 課税地番図
- 農地の区画情報
- 森林簿
を突き合わせて現地の位置を特定し、隣地所有者に通知を行ったうえで、所有権界としての境界標を設置しました。
※筆界を法的に確定する「境界確定」は費用が高額となるため、本件では、実務上現実的な「所有権界での整理」を選択しています。
また、当社が募集を請け負い見つかった譲受人が、竹を農業資材として活用したいという明確な利用目的をお持ちだったため、現地にて立会いのうえ、
- 境界の説明
- 利用可能範囲の確認
- 将来的な注意点の共有
を丁寧に行いました。
最終的な解決

地目整理、境界確認、利用内容の共有を経て、双方が納得した形で所有権移転を完了することができました。
- 農地法に接触しない形で整理
- 国庫帰属制度に頼らず、実務的な解決
- 境界トラブルの芽を事前に排除
することで、将来的なリスクを抑えた状態での解決となりました。
本件のように、
- 農地だが実態は山林・竹林
- 国庫帰属制度の対象外になりやすい土地
- 場所が分からず、境界も不明なまま放置されている相続土地
の問題は今後さらに増えていくと考えられます。
福島屋では、制度の可否だけで判断せず、実務として成立する現実的な選択肢を整理したうえで、解決まで伴走することを大切にしています。
























