皆さま、こんにちは!
高知県で相続不動産や空き家、売却・処分が難しい負動産を専門に扱う、福島屋代表の上田です。
負動産整理について調べたり、実際に向き合ったりすると、「結局、どこに一番時間がかかるのか」と感じる方は多いと思います。
結論から言うと、負動産整理で一番時間がかかるのは「現地と書類のすり合わせ(状況整理)」です。
売却や譲渡、登記そのものよりも前段階の、現状を正確に把握する作業に最も時間と手間がかかります。
そこで本日は、この負動産整理において最初にして最大の山場となる作業について話してまいります。
目次
① 図面・登記と現地が一致していない
負動産と呼ばれる不動産の多くは、次のような状態です。

- 登記簿上は存在するが、場所が分かりにくい
- 地番図と現地利用の状況が一致していない
- 境界標が見当たらない
- 登記面積と実測面積が異なる
特に山林や農地、古い分筆を繰り返してきた飛び地を含む土地では、書類だけを見て判断することがほぼ不可能なケースも少なくありません。
そのため、課税地番図や登記所備付地図を相互に確認しながら、GIS(地理情報システム)を用いて、該当不動産の位置を一筆ずつ特定していく作業が必要になります。
② 相続が重なり、権利関係が複雑になっている
負動産は長期間放置されてきた結果、相続が未整理のまま何世代も経過していることが多くあります。

- 名義が数十年前のまま
- 相続人が多数いる
- 相続人が県外に散らばっている
- 持分が細かく分かれている
こうした場合、「誰が、どこまで関与すれば話を進められるのか」を整理するだけでも時間がかかります。
この確認を後回しにすると、いざ手続きを進める段階で行き詰まってしまうこともあります。
③ 方法を決める前に、前提条件を固める必要がある
負動産整理には、
- 譲渡
- 隣地所有者との調整
- 制度の活用
- 解体や現況維持
など、いくつもの選択肢があります。
ただし、どの方法が現実的かは、
- 立地
- 面積
- 接道状況
- 境界の有無
- 法令上の制限
- 権利関係
といった基礎情報が確定してからでないと判断できません。
状況整理を飛ばして方向性を決めると、途中で「前提が違っていた」と気づき、最初からやり直しになることもあります。
④ 農地が絡むと、制度上さらに時間が必要になる
負動産整理の中でも、農地が含まれるケースは特に時間を要します。

たとえば、
- 耕作放棄地となっている農地
- 登記上は「農地」だが、現況は竹林や荒地になっている土地
こうした農地は、そのまま次の所有者へ所有権移転を行うことができません。
多くの場合、
- 現況に合わせて地目変更(農地 → 雑種地、または山林など)
- その後に所有権移転登記
という手順が必要になります。
農地に関するこれらの手続きは、農業委員会の審査・承認が前提となっており、
- 月1回の締め日
- 月1回の農業委員会開催日
といった行政スケジュールに強く左右されます。
書類がすべて整っていたとしても、最短でも1〜2カ月程度の時間を要するのが一般的です。
⑤ 負動産整理は「処分」よりも「把握」が先
負動産整理というと、「早く手放したい」「早く終わらせたい」と考えがちですが、実際にはその前に行うべきことがあります。
それが、「何を持っていて、それがどこにあり、今どんな状態なのかを正確に把握すること」です。
ここを丁寧に整理しておくことで、後の手続きが止まるリスクを減らし、現実的な選択肢を落ち着いて検討できるようになります。

まとめ|負動産整理は「状況整理」から始まる
負動産整理で一番時間がかかる作業は、現地と書類を突き合わせ、状況を整理する工程です。
負動産整理は、「急いで進める作業」ではなく、最初に時間をかけて整理する作業から始まります。
まずは現状を正しく知ること。
それが、負動産整理のスタート地点になります。
































