皆さま、こんにちは!
高知で相続不動産の売却・処分を専門に扱う、株式会社福島屋代表の上田です。
「親から相続した家、これからどうやって売ればいいのか…」とお悩みではありませんか?
不動産の売却は、人生で何度も経験するものではなく、とくに相続による売却となると、荷物の整理だけでなく気持ちの整理も伴うため、不安や疑問を抱くのは当然です。
そこで本日は、相続不動産を売却する際の流れについて話してまいります。
目次
相続不動産売却の流れ【8つのステップで全体像を把握】
ステップ①:無料相談・無料査定
まずは、信頼できる不動産会社に「無料相談」や「無料査定」を依頼してみましょう。
その際、「相続した不動産であること」を最初に伝えることが大切です。相続人との間で権利関係の整理が必要かどうかなど、売却までの流れについて具体的かつ的確なアドバイスを受けることができます。
不動産の売却は、「いくらで売れるのか」を把握することから始まります。これは遺産分割協議にも影響する重要なステップです。
査定には以下の2種類があり、目的に応じて使い分けられます。
- 簡易査定:周辺の相場やデータをもとに算出します。スピーディに目安を知りたい方向けです。
- 訪問査定:現地調査を踏まえて算出します。より正確な価格を知りたい方向けです。
ポイント:多くの不動産会社では、相談も査定も無料で快く対応してくれます。まずは気軽に相談してみることが大切です。
ステップ②:相続登記を済ませる
相続した不動産を売却するには、まず相続登記(名義変更)を済ませることが必須です。登記上の名義が故人のままでは、売却手続きに進むことはできません。
そのため、法定相続人であることを証明し、不動産の名義を自分に移す「所有権移転登記」が最初のステップとなります。
相続登記では、戸籍の収集や遺産分割協議書の作成など、慣れない手続きが必要になることがあります。こうした手続きも含めて、不動産会社に相談することをおすすめします。司法書士などの専門家と連携することで、スムーズに売却まで進めることができます。
ステップ③:媒介契約を結ぶ
売却を依頼する不動産会社とは、「媒介契約」と呼ばれる仲介のための契約を結びます。
媒介契約には3種類あります。
種類 | 特徴 |
---|---|
専属専任媒介契約 | 1社限定+自己売却不可、1週間に1回以上の報告義務あり |
専任媒介契約 | 1社限定+自己売却OK、2週間に1回以上の報告義務あり |
一般媒介契約 | 複数社可+自己売却OK、報告義務なし |
ご自身の状況に合わせて、契約方法を選びましょう。
ステップ④:売り出し(広告開始)
いよいよ物件を市場に出して、買主を探します。
- 写真撮影や物件紹介文の作成は不動産会社が対応します。
- インターネットや店頭で広告を掲載します。
- 内覧(見学)を希望する人が現れたら、不動産会社が日程を調整し、現地での案内を行います。
ポイント:内覧時には、できるだけ荷物を片付けて整理整頓しておくと、印象が良くなり、成約につながりやすくなります。
ステップ⑤:購入申込み(価格交渉)
購入希望者から申込書が入ると、交渉フェーズに入ります。
- 購入申込書(買付証明書)は「買います」という意思表示です。
- 希望価格や引き渡し時期などの条件交渉を行います。
- 双方が納得すれば、契約へと進みます。
ポイント:値引き交渉には、不動産会社と相談しながら、あせらず冷静に対応することが大切です。
ステップ⑥:売買契約の締結
条件がまとまったら、売買契約を結びます。
- 契約の前には、宅地建物取引士から、不動産の概要や問題点などを記載した「重要事項説明書」の説明を受けます。
- 契約後のトラブルを防ぐためにも、「売買契約書」の内容、とくに特約事項については、事前にしっかり確認しておきましょう。
- 売主・買主の双方は、内容に納得したうえで「重要事項説明書」と「売買契約書」の両方に署名・捺印します。
- 手付金(通常売買価格の10%)を受け取ります。
ポイント:売主・買主の双方が契約を結んだ後にキャンセルする場合、違約金が発生することがあるため注意が必要です。
ステップ⑦:引き渡し準備(抵当権抹消など)
買主への引き渡し前に必要な準備を進めます。
- 住宅ローンを完済している場合でも、登記簿上に抵当権が残っていれば「抵当権抹消登記」の手続きが必要です。
- 荷物の片付けを完了させます。
- 契約内容に沿った状態で、引き渡しができるように準備を整えましょう。
ポイント:決済手続きや所有権移転登記の手配は、通常、不動産会社が司法書士と連携して対応してくれます。売主は、案内に従って必要書類を準備するだけでOKです。
ステップ⑧:引き渡しと残代金の受け取り
物件の引き渡しと同時に、残代金を受け取って売却完了です。
- 司法書士立会いのもと、所有権移転登記が行われます。
- 残代金に加え、固定資産税の清算金(※日割り計算)、登記費用や仲介手数料など、各種の費用をまとめて精算します。
- 鍵の引き渡しをもって、手続きがすべて完了します。
ポイント:この日をもって売却は正式に完了します。不動産売却に伴う譲渡所得(売却益)が発生した場合、「所得税の確定申告」を翌年の2月16日から3月15日までの間に行う必要があります。忘れずに必要書類を準備しておきましょう。
まとめ|不動産売却は流れを知れば怖くない
不動産売却は専門用語が多く、難しく感じるかもしれませんが、上記の「8つのステップ」を一つひとつ順番に進めていくだけで大丈夫です。
売却の流れを事前に理解しておくことで心にゆとりが生まれ、落ち着いて売却活動に取り組むことができますので、どうぞご安心ください。