皆さま、こんにちは!
高知県で相続不動産や空き家、売却・処分が難しい負動産を専門に扱う、福島屋代表の上田です。
「法人をたたみたいのに、不動産が売れず清算できない」
これは、地方法人・家族経営企業・不動産保有会社で非常に多い、しかし誰も正面から教えてくれない問題です。
とくに
- 老朽社屋
- 過疎地の店舗
- 山林・原野・雑種地
- 再建築不可地
- 接道不良地
といったいわゆる「負動産」を抱えた法人では、不動産が原因で法人清算が何年も止まるケースが珍しくありません。
そこで本日は、
- 売却できない不動産を抱えたまま法人清算が進まない理由
- 実務上、現実に選択されている解決策
- やってはいけない判断
を実務経験ベースで話してまいります。
目次
なぜ「売れない不動産」があると法人清算できないのか

法人清算では、原則として「すべての資産を換価(現金化)し、債務を精算する」必要があります。
しかし、不動産が以下に該当すると換価が止まります。
よくある詰まりポイント
- 市場価格が実質0円〜マイナス
- 仲介会社が媒介を受けない
- 固定資産税・管理責任が継続する
- 代表者個人への安易な引き取りができない
結果として、
- 登記上、法人が消せない
- 清算結了ができない
- 何年も休眠状態の法人が残り続ける
という事態になります。

実務的解決策①|「売却」から発想を切り替える
まず重要なのは、「売る」前提を一度完全に捨てることです。
現実的な選択肢
- 無償譲渡(0円譲渡)
- 隣地調整
- 有償引き取り
法人清算においては、「いくらで売れたか」より「資産から外れたか」が重要です。
✔ 税務上も
✔ 清算実務上も
✔ 時間コスト的にも
早期に切り離す方が合理的なケースが大半です。

実務的解決策②|代表者・関係者への「安易な引き取り」は危険
よくある誤解が、
「代表者個人で引き取ればいいのでは?」
という判断です。
実はリスクが高い理由
- みなし贈与税・時価評価リスク
- 将来の相続負動産化
- 生活保護・各種公的扶助が受けられなくなるリスク
とくに山林・原野・再建築不可地は、法人 → 個人へ移した瞬間に「逃げ場がなくなる」ことがあります。
法人清算のために、代表者の人生が縛られることになれば本末転倒です。
実務的解決策③|「法人清算ありき」で処分スキームを設計する
重要なのは、不動産単体で考えないことです。
正しい順番
- 法人清算スケジュールを確定
- 税務・法務リスクの洗い出し
- 処分可能な現実ラインを設定
- 「売却できない前提」で出口を設計
この視点が欠けると、
- 清算人が動けない
- 税理士・司法書士が止まる
- 結局なにも進まない
という状態に陥ります。

実務的解決策④|専門スキームを持つ第三者に切り出す
すべてを
- 税理士
- 司法書士
- 一般の不動産会社
だけで完結させようとすると、「不動産部分だけ宙に浮く」ことが非常に多いです。
なぜか?
- 売れる不動産以外は後回しにされがち
- 誰が積極的に動くのかが曖昧になりやすい
- 責任の所在が不明確なまま、リスクだけが残される
過疎地の法人清算で一番重たいのは、「売れない不動産をどう終わらせるか」です。
ここに専門性のある第三者を入れることで、初めて清算全体が動き出します。
やってはいけない3つの判断
❌「もう少し待てば売れるかもしれない」
❌「とりあえず残したまま清算を進めよう」
❌「誰かが何とかしてくれるだろう」
これらはすべて、法人清算を数年単位で遅らせるだけでなく、場合によっては清算そのものを不可能にしてしまう判断です。

まとめ|法人清算の本当の壁は「売れない不動産」
法人清算が進まない原因の多くは、帳簿でも、税務でもなく、現実の不動産です。
特に高知県では、
- 売れない
- 不動産会社が扱わない
- 固定資産税と管理の責任が続く
という負動産が、法人の出口を完全に塞いでいるケースが後を絶ちません。
廃業や清算を考えている清算人の方は、帳簿ではなく、不動産から先に整理しなければ法人は終われないという現実を、ぜひ知っておいてください。































