皆さま、こんにちは!
高知県で相続不動産や空き家、売却・処分が難しい負動産を専門に扱う、福島屋代表の上田です。
「うちの空き家は古いから、解体以外の処分は無理ですよね」
高知県で空き家の相談を受けていると、こうした言葉をよく耳にします。
しかし実際の現場では、“同じ空き家”でも結果が大きく分かれるケースが少なくありません。
ある空き家は、無事に引き取り先が見つかる。
一方で、別の空き家は何年経っても動かない。
この差は、築年数や見た目の古さだけで決まっているわけではありません。
そこで本日は、処分できる空き家・できない空き家の決定的な違いについて話してまいります。
目次
処分できるかどうかは「築年数」だけでは決まらない
空き家の相談で、まず挙がるのが次のようなイメージです。
- 昭和築だから難しい
- 過疎地だから価値がない
- 古いから解体するしかない
確かに、これらは判断材料のひとつにはなります。
しかし実際には、高知県の過疎地・限界集落地であっても、平成以降に建てられた空き家であれば、処分の可能性が十分に残っているケースは少なくありません。
一方で、昭和築の空き家であっても、交通利便性が高いエリアでは処分できる可能性が高い傾向があります。
ポイントは、「何年に建ったか」ではなく、今後どう使えるか・どう引き継げるかという視点です。

決定的な差①|立地と“生活動線”
処分できるかどうかを大きく左右するのが、立地です。
ここで重要なのは「市街地かどうか」ではありません。
- 最寄りの集落まで車でどれくらいか
- 生活道路として使える道があるか
- 通勤・通学・買い物動線に無理がないか
こうした“生活として成立するかどうか”が評価されます。
たとえ過疎地であっても、
- 車で普通に出入りできる
- 周辺集落との距離感が極端でない
こうした条件を満たしていれば、「住まい」「宿舎」「倉庫」「地域利用」など、出口は見えてきます。

決定的な差②|建物の状態より「手の入れ方」
次に大きいのが建物の状態です。
ただし、ここで勘違いされがちなのが、「老朽化=即アウト」ではないという点です。
実務上よくあるのは、
- 雨漏りを長年放置していた
- 換気せず湿気が抜けなかった
- ほんの小さな不具合を放置し続けた
こうした“放置の積み重ね”が致命傷になっているケースです。
同じ築年の空き家でも、
- 定期的に換気されていた
- 最低限の修繕が入っていた
それだけで評価は大きく変わります。
平成築の空き家が処分しやすい理由のひとつも、建物性能そのものより、致命的な劣化が起きにくい点にあります。

決定的な差③|「いつから空いているか」
もうひとつ、見落とされがちですが重要なのが、空き家になってからの期間です。
- 空いて1~2年
- 空いて5年以上
この差は想像以上に大きくなります。
空き家は、使われなくなった瞬間から、時間とともに資産性を失い、負動産化していく存在です。
- 管理不全による草木の繁茂
- 屋内外の劣化が加速度的に進行する
- 近隣との接点が失われる(誰も状況を把握しなくなる)
こうした要素が積み重なる前に動けるかどうか。
これも、処分できる家・できない家を分ける要因になります。

決定的な差④|「最初から結論を決めていないか」
最後に、意外と大きな差になるのがここです。
- 解体するしかない
- 国庫帰属しかない
最初から選択肢を一つに決めてしまうと、本来残っている可能性を自ら潰してしまうことがあります。
まずは、
- どんな可能性が残っているのか
- 何が足かせになっているのか
を整理した上で、最も負担の少ない出口を探しましょう。

まとめ|「同じ空き家」でも、結果は変えられる
同じように見える空き家でも、
- 立地
- 建築年
- 空き期間
- 建物の扱われ方
- 判断のタイミング
これらが違えば、結果は大きく変わります。
「もう遅い」と決めつけてしまう前に、一度、状況を整理してみてください。
困ってからではなく、「このままでいいのか」と感じた今こそが、負担を小さくできるタイミングです。
































