皆さま、こんにちは!
高知県で、山林や農地をはじめ、相続後の扱いに困っている土地や建物、売却・処分が難しい「負動産」を専門としている福島屋代表の上田です。
相続した土地や建物を整理しようと思い、登記事項証明書(登記簿)を取得したところ、「抵当権」や「根抵当権」という記載を見つけ、不安になったことはありませんか。
- この土地は整理できないのではないか
- まず何から確認すればよいのだろう
このようなご相談は、福島屋にも寄せられます。
もっとも、登記事項証明書に抵当権や根抵当権が記載されていても、そのすべてが不動産整理に影響するわけではありません。
例えば、住宅ローンを完済しているにもかかわらず、抹消登記だけが行われていないケースがあります。
一方で、現在も有効な抵当権や根抵当権が残っており、不動産整理の進め方に影響するケースもあります。
福島屋へご相談いただく案件でも、何十年も前に設定された抵当権がそのまま残っている不動産は珍しくありません。
そのため、まずは登記事項証明書の内容を確認し、その抵当権が現在どのような状態にあるのかを把握することが重要です。
そこで本日は、抵当権と根抵当権の違いをはじめ、不動産整理を進める前に確認しておきたいポイントについて話してまいります。
目次
抵当権・根抵当権とは

抵当権と根抵当権は、どちらも不動産に設定される担保権です。
名前は似ていますが、設定される目的や性質には違いがあります。
ただし、負動産整理という視点では、「抵当権なのか」「根抵当権なのか」を知ること以上に、現在も整理に影響する権利なのかどうかを確認することが重要になります。
抵当権とは
抵当権は、不動産を担保として設定する権利です。
住宅ローンだけでなく、農地や山林などにも設定されることがあります。
役割を終えた抵当権でも、抹消登記が行われていなければ登記事項証明書には残り続けます。
そのため、抵当権が登記されているという事実だけでは、現在の状況を判断することはできません。
根抵当権とは
根抵当権は、継続的な取引で発生する債権を担保するために利用される権利です。
一般的な抵当権よりも権利関係が複雑になることがあるため、登記事項証明書に記載されている場合は、内容を確認したうえで整理方法を検討することが大切です。
抵当権・根抵当権は不動産整理にどのような影響がある?

不動産を整理する方法は一つではありません。
例えば、
- 売却できる可能性を調べる
- 無償譲渡を検討する
- 相続土地国庫帰属制度を利用する
など、状況に応じてさまざまな選択肢があります。
しかし、どの方法を選ぶ場合でも、現在どのような権利が設定されているのかを確認することが欠かせません。
例えば、相続土地国庫帰属制度では、抵当権などの担保権が設定されている土地は、原則として承認申請の対象になりません。
また、第三者へ譲渡する場合も、権利関係によっては手続きを進められないことがあります。
つまり、問題なのは抵当権や根抵当権があることではなく、権利関係を確認しないまま整理を進めてしまうことです。
古い抵当権が残っていることは珍しくありません

相続した不動産を整理しようとして登記事項証明書を取得した際、古い抵当権や根抵当権が残っていることに初めて気付くケースは珍しくありません。
福島屋へご相談いただく案件でも、相続から長い年月が経過した山林や農地に、何十年も前に設定された抵当権や根抵当権が残っていることがあります。
このような場合でも、「抵当権があるから整理できない」と判断する必要はありません。
- いつ設定されたものなのか
- 誰が権利者なのか
- 抹消登記が行われているか
など、現在の権利関係を整理することが大切です。
古い登記であるほど、登記の内容と現在の状況が一致していないこともあります。
そのため、登記事項証明書だけで判断せず、必要に応じて関係資料も確認しながら、不動産の状況を整理していきましょう。
登記事項証明書ではどこを確認すればよい?
抵当権や根抵当権は、登記事項証明書の権利部(乙区)に記載されています。
下の画像は、実際の登記事項証明書(権利部乙区)の一例です。


画像をご覧いただくと分かるように、抵当権や根抵当権が設定されている場合は、権利部(乙区)にその内容が記載されています。
確認したい主な項目は次のとおりです。
- 抵当権か根抵当権か
- 設定年月日
- 権利者
- 根抵当権の場合は極度額
- 抹消登記の有無
専門的な内容も含まれますが、まずは現在どのような権利が残っているのかを把握することが、不動産整理の第一歩になります。
相続土地国庫帰属制度を検討している場合は特に注意

相続土地国庫帰属制度を利用するためには、土地が一定の要件を満たしている必要があります。
その要件の一つが、抵当権などの担保権が設定されていないことです。
そのため、この制度の利用を検討している場合は、最初に登記事項証明書を確認し、権利関係を整理しておくことが重要です。
これは相続土地国庫帰属制度に限った話ではありません。
無償譲渡や売却など、どの整理方法を検討する場合でも、権利関係を確認しておくことで、その後の手続きを円滑に進めやすくなります。
不動産整理で最初に整理したいのは権利関係です

不動産整理では、土地そのものよりも先に確認したいものがあります。
それが権利関係です。
例えば、
- 抵当権・根抵当権
- 賃借権
- 地上権
- 地役権
などが設定されていると、整理方法に影響する場合があります。
土地の所在地や広さだけでは、その不動産をどのように整理できるかは判断できません。
まずは登記事項証明書を確認し、現在どのような権利が設定されているのかを把握したうえで、状況に応じた整理方法を検討することが大切です。
まとめ|抵当権・根抵当権があっても、まずは権利関係を確認しましょう
相続した不動産に抵当権や根抵当権が付いていても、それだけで不動産整理ができなくなるわけではありません。
大切なのは、「抵当権がある」という事実だけで判断するのではなく、現在どのような権利関係になっているのかを確認することです。
不動産整理では、土地の状態だけでなく、登記事項証明書に記載された権利関係も重要な判断材料になります。
特に、相続土地国庫帰属制度や無償譲渡などを検討する場合は、権利関係によって選択できる整理方法が変わることがあります。
まずは登記事項証明書を確認し、不動産の現状を正しく把握することが、適切な整理への第一歩となります。














































