皆さま、こんにちは!
高知県で、山林や農地をはじめ、相続後の扱いに困っている土地や建物、売却・処分が難しい不動産の整理を支援している福島屋代表の上田です。
福島屋では、使わなくなった土地や建物を今後どうすればよいのか、不動産整理に関するさまざまなご相談を受けています。
その中で感じているのが、相続が発生してからではなく、所有者が元気なうちに不動産を整理しておこうと考える方が多くなっていることです。
特に多いのは、
- 使っていない不動産を自分たちに残してほしくない
- 元気なうちに整理しておいてほしい
と子どもから言われたことをきっかけに、所有者本人が不動産整理を始めるケースです。
また、80代、90代になった親に代わって、60代、70代の子どもが中心となり、土地や建物、山林、農地などの整理を始めるケースも多いです。
退職後など時間に余裕ができ、身の回りの生前整理を始める中で、不動産についても「このまま子どもに残してよいのだろうか」と考える方もいます。
需要があり、一般的に売却できる不動産であれば、地域の不動産会社へ相談することで整理できます。
一方で、買い手が見つかりにくい土地や建物、山林、農地などは、売却しようと思っても簡単には整理できません。
福島屋に持ち込まれるのは、このような一般的な売却だけでは整理が難しい不動産が中心です。
そこで本日は、実際に不動産整理の相談を受ける中で感じている、親世代と子世代の不動産に対する考え方の違いや、使わない不動産を元気なうちに整理しておくことの大切さについて話してまいります。
「不動産を残したい親」と「使わないなら残してほしくない子」

不動産整理について相談を受けていると、親と子で不動産に対する考え方が違うことがあります。
特に80代、90代の方と話をしていると、
- 土地は持っていれば価値がある
- 不動産は子どもに残してあげたい
という考えをお持ちの方もいます。
もちろん、すべての不動産が負担になるわけではありません。
需要があり、売却や活用ができる不動産であれば次の世代にとって資産になります。
しかし、高知県内でも地域や不動産の種類、状態によっては、売却しようとしても買い手が見つからず、所有している限り管理や納税を続けなければならない不動産があります。
そのため、子世代からすると、
- 使う予定がないので、引き継ぎたくない
- 管理や固定資産税などの負担を抱えたくない
- 自分の子どもにはさらに残したくない
という考えになります。
実際の相談では、このような親子の考え方の違いを感じることがあります。
だからこそ、不動産を生前に整理する場合は、所有者だけで考えるのではなく、将来その不動産を引き継ぐ可能性のある家族がどう考えているのかを確認しておくことも大切です。
一度相続した子世代は整理に動くのが早い

一方で、すでに親から不動産を相続した方から相談を受ける場合は、比較的早く整理に動かれる印象があります。
実際に相続することで、不動産は所有しているだけでは済まないことを経験しているからかもしれません。
土地であれば草刈りなどの管理が必要になることがあります。
空き家であれば、建物の老朽化を気にしなければなりません。
山林であれば、樹木が隣地や公道へ越境したり、倒木のおそれが生じたりすることもあります。
そして、何か問題が起きれば、遠方に住んでいても所有者として対応を求められます。
こうした経験をした方から、
- 自分の子どもには同じ負担を残したくない
- 自分の代で整理できるものは整理しておきたい
という話を聞くことが多いです。
また、生涯独身の方からは、
- 自分が亡くなった後、甥や姪に迷惑をかけたくない
という理由で相談を受けることもあります。
誰に相続されるのかだけではなく、その人が本当にその不動産を必要としているのかまで考えておくことが、不動産の生前整理では大切す。
相談されるのは一般的な売却だけでは整理が難しい不動産

需要のある宅地や住宅であれば、一般的な不動産会社へ売却を相談することで整理できます。
一方、福島屋に相談される不動産は売却だけでは整理が難しいものが中心です。
高知県内では、使われなくなった宅地や建物のほか、山林や農地についての相談が多くあります。
高知市内では、
- 借地上に建っている建物や底地
- 接道条件などにより再建築や利用が難しい土地や建物
- 老朽化し、解体費が土地の価値を上回る建物
- 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)にある建物や土地
- 市街地に残された使われていない農地
などについて相談を受けています。
このような不動産は、単に売りに出すだけで整理できるとは限りません。
そのため福島屋では、現地を確認し、不動産の状態や周辺環境などを調査したうえで、売却だけに限らず、どのような方法であれば所有者が不動産の負担から離れられるのかを考え、整理方針を検討しています。
不動産の状況は一件ごとに異なります。
ただ、一見すると「どうしようもない」と思える不動産でも、何が問題になっているのかを整理し、一つひとつ確認していくことで、解決につながるケースも少なくありません。
相続した不動産の場所や状態を知らない方もいます

不動産整理の相談を受けていると、
- 親から土地を相続したことは知っているけれど、どこにあるのか分からない
- 相続してから一度も現地を見たことがない
という方もいます。
特に山林や農地では、このようなケースが多くあります。
ところが、ある日突然、行政から土地についての通知が届いたり、近隣住民や近隣の土地所有者から、
- 草木がこちらまで伸びている
- 樹木が公道に張り出している
- 木が倒れてきそうなので対応してほしい
と連絡が入ったりすることがあります。
そこで初めて現地を確認し、自分が相続した土地がどのような状態になっているのかを知る方もいます。
農地についても、長期間使われないことで草木が生い茂り、見た目には山林のようになっていることがあります。
使っていない不動産であっても、所有している以上、管理の問題が突然表面化する可能性があります。
「今まで何も起きなかったから大丈夫」とは限らない

使っていない不動産をそのままにしておくうえで注意したいのが時間の経過です。
空き家であれば、年数が経つほど建物は老朽化していきます。
土地であれば草木が繁茂し、隣地や道路へ越境することがあります。
山林では樹木が成長し、倒木などの問題が生じることも考えられます。
農地では、長期間耕作されないことで雑木や竹などが生い茂り、山林のような状態になることもあります。
そして、時間が経つことで変わるのは不動産だけではありません。
所有者本人も年齢を重ねます。
今は自分で現地へ行き、家族と話し合い、今後どうするのか判断できても、数年後も同じように動けるとは限りません。
さらに相続が発生すれば、所有者が変わったり、共有者が増えたりする可能性もあります。
「今まで何も起きなかったから大丈夫」ではなく、何も起きていない時だからこそ、落ち着いて今後のことを考えることができます。
行政や近隣から対応を求められてからでは、時間的にも気持ちにも余裕がなくなり、落ち着いて今後の方針を考えることが難しくなります。
問題が起きてから慌てて整理するよりも、気持ちや体力に余裕があるうちに始めた方が、不動産整理は進めやすくなります。
共有になっている不動産は特に注意が必要

不動産が複数人の共有になっている場合は、さらに注意が必要です。
一人で所有している不動産であれば、自分の意思を中心に今後の方針を考えることができます。
しかし共有不動産では、整理方法によって他の共有者との調整が必要になります。
さらに相続を繰り返すことで、関係する人が増えていく場合もあります。
福島屋に相談された時点で、すでに親族間で意見が合わず、深刻な対立にまで発展しているケースもあります。
そうなると、不動産の問題だけではなく、
- 誰が管理するのか
- 誰が費用を負担するのか
- なぜ自分だけが対応しなければならないのか
という親族間の問題にまで広がってしまうことがあります。
不動産を引き継ぐということは、その後の管理や費用負担、将来の相続についても引き継ぐことになります。
不動産の生前整理は「すべて処分すること」ではありません

不動産の生前整理というと、所有している土地や建物をすべて処分することだと思われるかもしれません。
しかし、福島屋ではそのようには考えていません。
まず必要なのは、自分がどのような不動産を所有しているのかを確認することです。
そのうえで、
- 現在どのような状態になっているのか
- 今後、自分や家族が使う予定があるのか
- 子どもなど引き継ぐ人が必要としているのか
- 売却や譲渡ができる可能性があるのか
- 整理するために必要な手続きや制限があるのか
- 所有し続けた場合にどのような管理が必要なのか
などを整理します。
そして、残す不動産と処分する不動産を分けて考えていけばよいと思います。
売却できる不動産であれば売却する。
引き継いでくれる人がいれば譲渡を検討する。
利用できる制度があれば、その可能性を確認する。
すぐに整理できない不動産であっても、現在抱えている問題を把握し、「今後どうするのか」という方針を決めておくことには意味があります。
不動産の生前整理で大切なのは、すべてを急いで処分することではなく、使わない不動産をそのまま次の世代へ引き継がないために、今後の方針を考えておくことです。
まとめ|気持ちと体力に余裕があるうちに使わない不動産と向き合う

私も不定期に開催される相談会に相談員として参加していますが、そこでも使わない不動産を今後どうするべきか、悩んでいる方が多いことを実感しています。
不動産は、家の中にある物のように簡単に片付けることができません。
特に売却や処分が難しい土地や建物は、現状を調べ、問題点を整理し、必要に応じて関係者と調整しながら出口を探すため、時間がかかることがあります。
だからこそ、何か問題が起きてからではなく、気持ちと体力に余裕があるうちに、使わない不動産と一度向き合ってみてはいかがでしょうか。
どこに、どのような不動産を所有しているのか。
これから使うのか。
誰かに残すのか。
それとも自分の代で整理するのか。
まずは現在の状況を知り、今後の方針を考える。
それが、不動産の生前整理の第一歩です。








































