なぜ建物が古くても固定資産税は0円にならないのか|負動産所有者が知っておくべき税金の話

負動産所有者が知っておくべき固定資産税の仕組みと対策を解説

皆さま、こんにちは!

高知県で、山林や農地をはじめ、相続後の扱いに困っている土地や、売却・処分が難しい「負動産」を専門としている福島屋代表の上田です。

「もう誰も住めない家なのに固定資産税がかかる」

空き家の相談を受けていると、このような声をよく耳にします。

  • 雨漏りしている
  • 床が抜けている
  • 建物が傾いている
  • 人が住める状態ではない

それでも毎年、固定資産税の納税通知書は届きます。

所有者からすると、「こんな建物なのに、なぜ固定資産税がかかるのだろう」「税金がかからないようにできないのだろうか」と思うのも無理はありません。

中には市町村へ相談し、「建物はボロボロで人も住めない状態なのに、税金がかかるのはおかしい」と訴える方もいます。

しかし担当課から返ってくる答えは、「固定資産税は評価制度に基づいて算定されています」「すでに評価額は十分に下がっており、これ以上下げることはできません」というものです。

では、なぜこのようなことが起きるのでしょうか。

そこで本日は、なぜ古い建物でも固定資産税が0円にならないのかについて、できるだけ分かりやすく話してまいります。

不動産の市場価値と固定資産税の評価額は別物

市場価値が低い空き家と固定資産税評価額の関係を表現したイメージ画像

多くの人が誤解しやすいのですが、不動産の市場価値と固定資産税の評価額は同じではありません。

例えば、

  • 買い手がいない
  • 不動産会社に売れないと断られた
  • 無償でも引き取り手が見つからない

という状態でも固定資産税は発生します。

市場では価値がほとんど認められなくても、固定資産税制度上は建物として評価されるためです。

つまり、「売れないから固定資産税も0円になる」わけではありません。

建物は古くなるほど固定資産税評価額は下がる

どんなに古くても固定資産税が0円にならない空き家

もちろん建物は古くなれば評価額も下がります。

新築時が最も高く、年数の経過とともに評価額は減少していきます。

しかし固定資産税の制度では、建物が存在する限り一定の評価額が残る仕組みになっています。

そのため、

  • 築50年
  • 築60年
  • 築70年

を超えていても固定資産税が課税されることがあります。

所有者や不動産市場から見ると「価値はゼロ」でも、固定資産税の評価制度上は「ゼロではない」ということです。

行政に相談しても下がらない理由

空き家所有者の中には、「これだけ傷んでいて売ることも難しく、誰も住めない状態なのだから、固定資産税を下げてほしい」と考える方もいます。

しかし固定資産税は、全国共通の評価基準に基づいて算定されます。

そのため担当窓口に相談しても、「個別の事情だけで評価額を変更することはできません」という説明になることがほとんどです。

実際には、建物の傾きや老朽化が著しく、人が住める状態ではなくなっていても、評価上はすでに十分な減価が反映されていると判断されるケースが一般的です。

このため、担当課へ相談しても評価額がさらに下がることはほとんどありません。

所有者が感じる現実と、固定資産税の評価制度との間にギャップが生じる理由はここにあります。

固定資産税は自治体を支える重要な財源

空き家や利用していない不動産でも固定資産税は発生し続けること、固定資産税が自治体運営を支える重要な財源であることを説明するイメージ。

固定資産税は市町村が徴収する地方税であり、市町村が自由に使える重要な財源です。

道路、消防、防災、ごみ処理、福祉など、地域の行政サービスを支える財源として使われています。

特に高知県内のように人口減少が進む地域では、固定資産税収が果たす役割はますます大きくなります。

人口が少なくなると住民税収入も減少します。

また、企業が少ない自治体では法人関係の税収も限られます。

そのような自治体にとって、固定資産税は居住や利用の有無にかかわらず、建物や土地を所有している限り課税されるため、毎年安定して確保できる貴重な財源です。

所有者にとっては負担であっても、自治体にとっては地域を維持するために欠かせない税収となっています。

本当に重いのは税金よりも維持管理

売却が難しい空き家でも固定資産税が課税されることを表現した住宅
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実は空き家所有者にとって問題なのは固定資産税だけではありません。

  • 草刈り
  • 樹木の管理
  • 建物トラブル
  • 相続問題

こうした負担が毎年積み重なっていきます。

固定資産税が年間数千円だったとしても、20年、30年と持ち続ければ大きな負担になります。

さらに、将来的な解体費まで考えると、その負担はさらに大きくなります。

まとめ|空き家の問題は固定資産税だけではない

固定資産税がかかり続ける負動産の悩みを表現したイラスト。管理費や解体費用、相続問題など空き家所有者の負担を解説

建物が古くても固定資産税が0円にならないのは、固定資産税が法律に基づく評価制度によって算定されているためです。

たとえ人が住めない状態になっていても、建物が存在している限り、固定資産税の評価額は残ることがほとんどです。

さらに、高知県内のような人口減少や高齢化が進む地域では、固定資産税は自治体を支える重要な財源でもあります。

しかし所有者にとっては、

  • 住めない
  • 売れない
  • 手放せない

という負動産に税金や維持費を払い続けなければならない現実があります。

空き家の問題は、固定資産税の金額だけではありません。

建物だけでなく、土地も含めて、その不動産を今後どうしていくのかを考える必要があります。

放置期間が長くなるほど選択肢は少なくなるため、早めの状況整理が将来の負担を減らす第一歩になります。

平成住宅の相続増加により、昭和住宅が市場で選ばれにくくなる可能性を解説するイメージ画像

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